2018/10/24
防災・危機管理ニュース
山本順三・防災担当大臣は23日、内閣府で報道陣のグループインタビューに応じ、災害対応について地方自治体を国が支援するなど積極的に関与し、自治体と一体であたる方針を示した。また台風や大雨の際、避難につながるような情報伝達に努めていくほか、ハード面も充実させる国土強靭化にも意欲を示した。
山本担当相は平成30年7月豪雨や北海道胆振東部地震など、相次ぐ災害の被災地を訪問したことを述べ、「厳しい状況を知った。国民の生命・身体・財産を守るため緊張感を持って職責にあたらねばならない」と語った。大規模災害における国の役割について「被災地を訪問した際、国の支援は早かったという話を聞いている。災害直後の市町村は混乱しており、プッシュ型支援を今後も継続していく」とし、自治体に対し人員も含めた支援を推進。国土交通副大臣時代の2016年に熊本地震の対応にあたった経験も交え、「経験を重ね、国と自治体の連携プレーがよくできるようになってきた。災害では市町村ができないことを都道府県が行い、それでも難しいことを国が行うのが基本ではあるが、大規模災害については一体で対応することが根づいてきた」と評価した。
気象庁からの情報や自治体による避難勧告・指示の重大性が伝わらず、水害時の住民の避難行動になかなかつながらないことについては、「正確な情報をいかに伝え、避難につなげるか、ソフト面での防災計画は重要」と説明。防災教育も推進していくほか、先進的な地域での取り組み事例を全国に広げていきたいとした。また、気象情報の重大性が伝わるよう、「気象庁からの情報についてはもっと細かくした方がいい」とし、数km単位のメッシュ情報など、具体的にどの地域でどんなことが起こっているかわかりやすく伝えることの大事さを述べた。
南海トラフ地震については「最悪32万3000人といわれる死者を8割減らすために作業を行っている」と説明。2017年11月から南海トラフで異常があった際の対応について新たな運用を行っているほか、内閣府を中心とした中央防災会議においてワーキンググループを設置し、異常に応じた対応に関する報告書を年末までにまとめることを説明した。
年内に閣議決定する予定の次期国土強靭化基本計画については「熊本地震で得た知見として避難所での健康管理のほか、AI(人工知能)やSNSといった新技術の活用、緊急輸送道路の耐震化などを盛り込む」と説明。政府として進めている電力設備や河川といった重要インフラ118項目の緊急点検も反映させ、ハード整備にも取り組む方針を示した。議論が起こっている防災省の創設については「各省庁での連携はスムーズにとれており、屋上屋を重ねる感がある。現状の体制を整え、人材の資質向上に努め対策の向上を図る」と慎重であることを説明した。
(了)
リスク対策.com:斯波 祐介
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
企業の副業解禁とコンプライアンス対策を支援
企業の副業解禁の流れが加速している。従業員は本業以外の労働を増やすことで、収入増が見込める。従業員が副業で獲得したスキルで、本業への貢献も期待できる。企業側にとっても、副業は採用活動に活用できる。業務発注から関係を深めてからの転職や採用後のミスマッチを防止する効果がある。一方で、副業の一般化に伴い、同業他社での競業や情報漏えい、ブランド毀損、過重労働など、副業リスクは増加している。フクスケ(東京都千代田区)は、企業の副業制度の運用支援に加え、副業コンプライアンス向上に関するデータを分析し、リスク診断サービスも提供している。代表取締役社長の小林大介さんに、企業の副業解禁がもたらす影響について話を聞いた。
2026/06/12
-
-
-
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2026/06/09
-
-
リスク対策.PROライト会員用ダウンロードページ
リスク対策.PROライト会員はこちらのページから最新号をダウンロードできます。
2026/06/05
-
-
-
失われた危機意識を取り戻す災害図上訓練で自分ごと化 ミツバ
どのメーカー系列にも属さず、複数の自動車メーカーや1次サプライヤーに四輪と二輪用の電装部品を供給する独立系のサプライヤーであるミツバ(群馬県桐生市、日野貞実代表取締役社長)。近年、過去に考えられた災害対策が、途絶えつつあった。同社では“自分ごと化”で従業員の危機意識を高めるため、災害図上訓練を実施。参加者の意欲が高まり、対策用の新たな要望が集まるなど、確実な手応えを感じている。
2026/05/26







※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方