山本防災担当相は、大災害時に自治体支援など国の積極関与の方針を語った

山本順三・防災担当大臣は23日、内閣府で報道陣のグループインタビューに応じ、災害対応について地方自治体を国が支援するなど積極的に関与し、自治体と一体であたる方針を示した。また台風や大雨の際、避難につながるような情報伝達に努めていくほか、ハード面も充実させる国土強靭化にも意欲を示した。

山本担当相は平成30年7月豪雨や北海道胆振東部地震など、相次ぐ災害の被災地を訪問したことを述べ、「厳しい状況を知った。国民の生命・身体・財産を守るため緊張感を持って職責にあたらねばならない」と語った。大規模災害における国の役割について「被災地を訪問した際、国の支援は早かったという話を聞いている。災害直後の市町村は混乱しており、プッシュ型支援を今後も継続していく」とし、自治体に対し人員も含めた支援を推進。国土交通副大臣時代の2016年に熊本地震の対応にあたった経験も交え、「経験を重ね、国と自治体の連携プレーがよくできるようになってきた。災害では市町村ができないことを都道府県が行い、それでも難しいことを国が行うのが基本ではあるが、大規模災害については一体で対応することが根づいてきた」と評価した。

気象庁からの情報や自治体による避難勧告・指示の重大性が伝わらず、水害時の住民の避難行動になかなかつながらないことについては、「正確な情報をいかに伝え、避難につなげるか、ソフト面での防災計画は重要」と説明。防災教育も推進していくほか、先進的な地域での取り組み事例を全国に広げていきたいとした。また、気象情報の重大性が伝わるよう、「気象庁からの情報についてはもっと細かくした方がいい」とし、数km単位のメッシュ情報など、具体的にどの地域でどんなことが起こっているかわかりやすく伝えることの大事さを述べた。

南海トラフ地震については「最悪32万3000人といわれる死者を8割減らすために作業を行っている」と説明。2017年11月から南海トラフで異常があった際の対応について新たな運用を行っているほか、内閣府を中心とした中央防災会議においてワーキンググループを設置し、異常に応じた対応に関する報告書を年末までにまとめることを説明した。

年内に閣議決定する予定の次期国土強靭化基本計画については「熊本地震で得た知見として避難所での健康管理のほか、AI(人工知能)やSNSといった新技術の活用、緊急輸送道路の耐震化などを盛り込む」と説明。政府として進めている電力設備や河川といった重要インフラ118項目の緊急点検も反映させ、ハード整備にも取り組む方針を示した。議論が起こっている防災省の創設については「各省庁での連携はスムーズにとれており、屋上屋を重ねる感がある。現状の体制を整え、人材の資質向上に努め対策の向上を図る」と慎重であることを説明した。

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リスク対策.com:斯波 祐介