2019/01/24
防災・危機管理ニュース

東京都は24日、文京区にある都立駒込病院で新型インフルエンザ患者の移送・受け入れ訓練を実施した。日本では未知の新型インフルエンザを発症した帰国者を駒込病院に移送し、処置する設定で行った。
患者は港区在住の30歳の男性の設定。5日間新型インフルエンザの発生国に滞在し、2日前に帰国。5日前に現地の有症状者と接触があったという。発症し検査も陽性であることから、留め置かれている新型インフルエンザ専門外来から都内に4つある第一種感染症指定医療機関のひとつである駒込病院に、東京消防庁の認定を受けた民間の救急搬送車を使い移送。その後に診察するというシナリオで訓練した。

搬送車を警視庁のパトカーが先導し駒込病院に入った。外気を遮る覆いをかぶせ、換気装置が付いている車いすに患者を乗せ建物内に。患者を病室のベッドに移し、医師や看護師も防護服を着て診察や検査を実施。処置後は病院関係者が防護服や手袋など身に着けていた物の廃棄や消毒も行った。
都内では7~13日において419カ所のインフルエンザ定点医療機関における患者数が1カ所当たり31.7人を記録。これを受け都は17日に流行警報を出している。海外から新型インフルエンザがもし入ってきた場合、最悪で都民の30%がり患、死者が1万4000人にのぼることもありうるという。そのため海外発生期や、次の段階であり今回の想定のような国内発生早期の段階でくい止めることが重要になる。
(了)
リスク対策.com:斯波 祐介
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