2019/02/22
アウトドア防災ガイド あんどうりすの『防災・減災りす便り』
母乳育児は9割
もうひとつ、累計600万部も売れている誰もが知っているマンガにこんなシーンがあるのです。過去の災害で、ママたちが母乳が止まると思い込んでいて、母乳が継続できることを知らずに、避難所でミルクを求めがちになってしまっている現状を書いたマンガです。マンガとはいえ、DMAT(災害時派遣医療チーム)で活躍されている災害時小児周産期リエゾンの医師の先生をモデルにした実際にあった話をもとにしたフィクションです。次週に詳しく紹介予定なので、この部分、先延ばしで申し訳ないのですが、お楽しみに!
マンガにも書かれているのですが、どちらかというと、「災害時、母乳が完璧に止まってしまう」という誤解を与える情報ばかりが親たちに入っています。ママたち向けの講演後にお聞きしても、<母乳を少しでもあげ続ける事で母乳が継続できる>という情報は今まで聞いたことがなかったという声の方が多いのです。<ティースプーン1杯の母乳には、菌を殺す成分が300万も入っていて、母乳をできるかぎりあげることによって、災害時の感染症から赤ちゃんを守る>という情報も全く伝わっていません。 だから災害時、母乳育児の方でもミルクを希望される人が多くなっているのですが、国際基準が作られた理由は、母乳育児が継続できる場合はそれを阻害しないようにして、赤ちゃんを感染症から守る必要性があるからです。日本は先進国とはいっても、避難所は過酷な状況ですし、いままで、感染症も発生しています。国際基準は発展途上国の話としてスルーして本当に大丈夫なのでしょうか?
また、前提として、実は、現在の日本は母乳育児率が高い国だということをご存知でしょうか?ご自身が子育てした時期と状況は違うかもしれません。子育て情報は毎年更新されていますので、この前提を間違えると支援もずれてしまいます。災害時の支援といえば、まずミルクと思いがちかもしれませんが、ミルクと併用して母乳をあげる混合育児をふくめるとほぼ90%が赤ちゃんに母乳をあげていることになるのです。
厚生労働省の資料を図にするとこんな感じです。
母乳育児率が高いので、それに見合った支援が必要です。夜間の授乳は、寝ながら胸をはだけて赤ちゃんに授乳することもあるのです。授乳室が避難所にあればいいと思われている方も多いのですが、昼間と違って、夜までいちいち起き上がって別の部屋に行っていたら体が疲れてしまいます。赤ちゃんには夜も頻繁な授乳が必要なためママの睡眠時間が減るので、体を休める時間が一般の人よりも必要なのです。寝ながらその場で授乳できる環境がなければストレスがたまるのは当然ともいえます。9割の人に対する支援は行き届いているのでしょうか?途上国の話としてしまっていいのでしょうか?
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