2019/03/12
講演録
事業継続活動に取り組んだきっかけは、東日本大震災において安全配慮義務違反が問われ、経営陣の不在時、あるいは通信手段が遮断された場合の応急対応を作ったほうがいいということで、日本政策投資銀行の紹介でISO 22301を開始し、2014年2月に認証取得しました。若手メンバーをどんどん入れ、安全配慮義務とリンクした活動にしたところが特徴です。マニュアルは現在、第10版目ですが、現場のトップが備えるべき緊急事態や情報を理解・共有するようにし、状況ごとの責任と権限を具体的に記載していったところが特徴です。
現在の取り組みとしては、今回の東日本大震災を万が一上回ったような津波でも全員無事に垂直避難できるように、4階建てで避難所スペースを設けた建物も建設しました。演習訓練等は、小さいレベルで、現場でどんどんと取り組んでおり、前年度は54回実施しました。BCMS(事業継続マネジメントシステム)を有事の実効性向上のために不可欠なものと認識させ、平時業務として運用していることがポイントです。また、マグニチュード8を超えるような地震の場合は1分以上揺れるため、揺れる時間を計測し、1分以上揺れたら即避難、シャットダウンという形で、体感的にやらせるようにしています。
(了)
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