2019/03/20
昆正和のBCP研究室
■右肩上がりに災害が増えている?
下図は過去40年間に発生した自然災害の件数とその被害額のグラフである。グラフ中の「自然災害」とは主に地震や水害、津波のことと理解して差し支えない。
これを見ると、1991~95年と2011~15年が突出していることに気付く。前者は言うまでもなく阪神・淡路大震災、後者の2011~15年は東日本大震災が原因で大きく数字を伸ばしている。
これを見ただけもある程度、右肩上がりの傾向がわかると思うのだが、この後の2016~20年の統計をとったらどのように変化するだろうか。2016年以降は熊本地震を皮切りにいくつもの自然災害が起こっている。グラフがさらに数字を伸ばすことは目に見えているのである(注:気象学者や地震学者はもっと長大なスケールで自然の出来事をとらえるから、40~50年間ぐらいのデータでは「右肩上がりの傾向」として断定することはできないと述べるかもしれないが)。
いずれにしても、ここで一つの疑問が浮上する。例えば会社の業績や一国の経済成長といったものなら、人間の努力で右肩上がりに増加するというのは分かる。しかし偶発事象である自然災害が右肩上がりに増えているとはどういうことなのだ?と。この点について豪雨災害と地震について見てみよう。
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