第2回:「災害は増えている」はフェイクか?
いつでも起こり得るので常に警戒を
BCP策定/気候リスク管理アドバイザー、 文筆家
昆 正和
昆 正和
マルチハザードBCPの策定/気候変動リスク対策・適応策に関するアドバイス・講演・執筆活動に従事。一般社団法人日本リスクコミュニケーション協会理事。BCP・BCM・レジリエンス・登山に関する著書14冊。国際的な事業継続マネジメントの専門家組織、英国BCI(Business Continuity Institute)の公式WebサイトにマルチハザードBCPの解説記事を寄稿。オンライン媒体や雑誌の連載など多数。趣味は登山と読書。著者のnoteはこちら(https://note.com/b76rmxiicg/)
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■地球温暖化を信じる人とそうでない人
数年前、アマゾンのサイトで「地球温暖化」をテーマとする本を探していたところ、「地球温暖化なんてうそである」という主張の本が人気ランキング上位にずらりと並んでいるのを見てあ然としたことがあった。今でこそある程度バランスのとれた本が並んではいるが…。
世界中の科学者の大半は地球温暖化や気候変動は事実で、その原因は人間にあると考えており、これに懐疑的な科学者の割合はわずか数%だそうである。一方(アメリカ国内に限って言えば)圧倒的多数の科学者がこのように考えていることを、6割の国民が気づいていないという。なぜこんな傾向が出てくるのだろうか。それは、マスメディアのフェアな姿勢が裏目に出ているからだと指摘する専門家もいる。
というのは、マスメディアは世の中にAという意見がある一方で、アンチAという意見もあるなら、両者を公平に取り上げなくてはならないと考えているからだ。それらがメジャーな意見かマイナーな意見かにかかわらず、である。マスメディアがAとアンチAを同時に取り上げたとき、たとえAの支持者が99%で、アンチAの支持者が1%であったとしても、我々の目には2つの意見が同じ土俵で拮抗しているように見え、どちらの意見が正しいのか信用してよいのか迷ってしまうのである。
国内の災害に話を転じよう。昨今は自然災害が増えていると感じている人は少なくない。しかしそれを否定し、ともすれば楽観的に考えたくなるもう一人の自分がいることにも気づくだろう。自然といえどもいつも同じ状態ではない。あたかも人間が体調を崩すように、たまには気候のバランスが崩れて豪雨が降り続いたり、偶然が重なって地震が頻発することだってある。生きている地球の一時的で気まぐれな現象に過ぎないのだ、と。とはいえ、この驚異的な自然災害がもはや一時的で気まぐれな現象などではなく、明確な「増加傾向」をとるようなってきていることは、あながち根拠のない話ではない。
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