2019/04/19
アウトドア防災ガイド あんどうりすの『防災・減災りす便り』
白に白は透けやすい
色についての話題がでたので、色指定について。セーター・カーディガンなどの色指定はよくお聞きします。
「セーターは、紺はOK。白やベージュは不可」
など、白やベージュは境界事例のようです。
でも、これはないでしょうと思うのは、下着の色指定です。
「下着の色は白とする」
セーターで白はダメとするところでも、下着は白にすべしというものがあったりします。
そもそも学校が下着の色に口を出す事自体がセクハラっぽくて気持ちが悪いです。会社でこれをやったら社会的に問題になることは必須です。それなのに学校では許されるのが不思議です。でも、首都圏では結構あるのです。この下着が白っていう校則が。で、学校があげる理由は、こうでした。
「白以外の下着は透けて見えるので不可」
白ならばブラウスから透けないので、白に指定というのが主な理由です。ところがです。どの色が透けやすいのかを東京都板橋区議の五十嵐やす子さんが実験された写真がこちら。
板橋区では、下着についての何らかの決まりがある学校が22校中12校、そのうち下着を白とする学校は6校あるので、この実験をされたそうです。
色見本に
ブラウスに見立てて白い布をかぶせると
白の方が透ける!!
下着を白にした方が透けて見えることがわかりました。むしろ赤のほうが透けて見えないくらいです。
でも、これはあたりまえの現象でもあるのです。中学1年では、光の性質を習い、その中で色の見え方も学習します。
色というのは、光が反射しているわけですが、赤色が赤く見えるのは、赤以外の色を吸収して、赤だけ反射しているからです。
白という色はどうやって見えているかというと、光を吸収しないですべて反射しているのです。これは、中1で習います。
中1理科 光の性質
光をすべて反射する白なのだから、白の下着の上に白の ブラウスを着ても、素材が違う白どうしがそれぞれ微妙に異なる反射率ながらも、白であるがゆえに光をすべて反射して白として見えています。光を吸収する色よりも、反射する白だから際立って透けて見えやすいことは、中1で理解できるはずなのです。さらに厳密には、異なる物質である白色の服と空気の接触面で光の屈折も起こり、光はさらに乱反射されて白にみえています。白だからこそ、よく見えるということになりますよね。
学校で科学として色の見え方を教えているのに、校則では科学に基づかない情報で禁止してしまっているとすれば、それは教育といえるのでしょうか?例えば、すでに否定されている「地震雲」がいまだに防災情報として話題になってしまう現象などは、科学よりも、主観や思い込みを校則としてまで伝えてしまっている学校教育の負の側面も原因にあるのではと思ったりもします。
アウトドア防災ガイド あんどうりすの『防災・減災りす便り』の他の記事
おすすめ記事
-
-
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2024/09/10
-
相克抱え始まった人権DD 海外の動向と日本企業の対応
ビジネスにおいて、人権尊重への取り組みが不可欠になってきました。欧州では人権配慮を企業に義務付ける法律が次々に施行。米国では強制労働による物品の輸入を差し止める法律が運用され、対応次第では国際的な取引から締め出されかねません。海外の動向と企業の対応を、日本貿易振興機構(ジェトロ)調査部国際経済課の森詩織氏に聞きました。
2024/09/09
-
-
-
リスク対策.PROライト会員用ダウンロードページ
リスク対策.PROライト会員はこちらのページから最新号をダウンロードできます。
2024/09/05
-
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方