2019/06/06
ペットライフセーバーズ:助かる命を助けるために
避難所の準備について
また、私たちのブースを訪れた皆さんから寄せられた質問に対して回答を行った。いくつか紹介させていただく。
質問1:すでに環境省が、ペット同行避難や同伴避難なども含めた災害対策ガイドラインや各種必要書類などを提供している。これらの書類をどのように自分たちが担当する避難所で活用し、自分たちに合った避難所を応急から固定まで段階的に準備し、どうやって避難所入所時にペットを連れて避難してきた住民に説明して、記入していただいたり、記載内容を確認したり、書類の不備などを指摘したりすればいいか。衛生面への配慮やトラブルを予防しつつ、ペットを継続的に管理して、安全に運用するべきなのか? どこかにモデルケースがあるか?
これについては下記の資料などを研究して、自分たちの地域の事情に応じて行う必要があるが、避難所設営側の意識の違いなどで、なかなか、まとまらないというのが実情だという。
■災害時におけるペットの救護対策ガイドライン(環境省)
https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/pamph/h2506.html
■人とペットの災害対策ガイドライン(環境省)
https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/pamph/h3002.html
質問2:具体的なペットの管理施設を避難所近くに設営する場合、動物ごとのケージの設置方法や獣医が巡回診療時に使う診療台の配置方法や治療などに薬品の管理や必要なスペースなどのレイアウトの基本的な平面図や写真などはあるか?
下記に資料に実際に設置された平面図や写真などが掲載されているため、ペット避難所設営計画とマニュアルを作成し、実際の設営手順などをシミュレーション訓練し、いずれは動画によるマニュアルなどが必要ではないかという意見もあった。
■被災ペット救護施設運営の手引き(環境省)
https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/pamph/h3103.html
質問3:もし、管理中に動物同士のけんかによる死亡事故や感染症のまん延などが発生した場合、動物愛護法の動物虐待として、懲役や罰金に処せられるのではないか?
これについては、弁護士に聞くしかないが、動物事故の詳細内容によるのと、ボランティアによるペット避難所運営において、どこまで責任を求められるのか?飼い主との免責同意書などが必要に思うなどの意見があった。
他にも飼い主側の防災教育の普及や課題についてなど、さまざまな意見があったが、1時間以上意見交換し「いずれにしても環境省がここまで準備してくれているのだから、あとは自分たちで、ペットと避難生活するために何とか頑張りましょう!」と笑顔で別れた。
- keyword
- ペットライフセーバーズ
- ペット
- 防災
- 避難所
ペットライフセーバーズ:助かる命を助けるためにの他の記事
おすすめ記事
-
企業理念やビジョンと一致させ、意欲を高める人を成長させる教育「70:20:10の法則」
新入社員研修をはじめ、企業内で実施されている教育や研修は全社員向けや担当者向けなど多岐にわたる。企業内の人材育成の支援や階層別研修などを行う三菱UFJリサーチ&コンサルティングの有馬祥子氏が指摘するのは企業理念やビジョンと一致させる重要性だ。マネジメント能力の獲得や具体的なスキル習得、新たな社会ニーズ変化への適応がメインの社内教育で、その必要性はなかなかイメージできない。なぜ、教育や研修において企業理念やビジョンが重要なのか、有馬氏に聞いた。
2025/05/02
-
-
備蓄燃料のシェアリングサービスを本格化
飲料水や食料は備蓄が進み、災害時に比較的早く支援の手が入るようになりました。しかし電気はどうでしょうか。特に中堅・中小企業はコストや場所の制約から、非常用電源・燃料の備蓄が難しい状況にあります。防災・BCPトータル支援のレジリエンスラボは2025年度、非常用発電機の燃料を企業間で補い合う備蓄シェアリングサービスを本格化します。
2025/04/27
-
自社の危機管理の進捗管理表を公開
食品スーパーの西友では、危機管理の進捗を独自に制作したテンプレートで管理している。人事総務本部 リスク・コンプライアンス部リスクマネジメントダイレクターの村上邦彦氏らが中心となってつくったもので、現状の危機管理上の課題に対して、いつまでに誰が何をするのか、どこまで進んだのかが一目で確認できる。
2025/04/24
-
-
常識をくつがえす山火事世界各地で増える森林火災
2025年、日本各地で発生した大規模な山火事は、これまでの常識をくつがえした。山火事に詳しい日本大学の串田圭司教授は「かつてないほどの面積が燃え、被害が拡大した」と語る。なぜ、山火事は広がったのだろうか。
2025/04/23
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/04/22
-
帰宅困難者へ寄り添い安心を提供する
BCPを「非常時だけの取り組み」ととらえると、対策もコストも必要最小限になりがち。しかし「企業価値向上の取り組み」ととらえると、可能性は大きく広がります。西武鉄道は2025年度、災害直後に帰宅困難者・滞留者に駅のスペースを開放。立ち寄りサービスや一時待機場所を提供する「駅まちレジリエンス」プロジェクトを本格化します。
2025/04/21
-
-
大阪・関西万博 多難なスタート会場外のリスクにも注視
4月13日、大阪・関西万博が開幕した。約14万1000人が訪れた初日は、通信障害により入場チケットであるQRコード表示に手間取り、入場のために長蛇の列が続いた。インドなど5カ国のパビリオンは工事の遅れで未完成のまま。雨にも見舞われる、多難なスタートとなった。東京オリンピックに続くこの大規模イベントは、開催期間が半年間にもおよぶ。大阪・関西万博のリスクについて、テロ対策や危機管理が専門の板橋功氏に聞いた。
2025/04/15
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方