2016/05/24
誌面情報 vol55
震災の経験を語り継ぐ新しいツーリング事業
研修プログラムの中で圧巻なのは、独自に開発した「クロスロード」だ。実際に大槌町が直面した問題について、参加者は当事者として決断を下さなければいけない。臼沢氏によると、判断と決断は違うという。判断はさまざまなリスクを考慮し、無難な道を選ぶ方法。決断は、あらゆるリスクをリーダーが背負い込んで、町の行く末を決めるものだ。「例えば、旧役場の解体問題。実際に賛成派、反対派の人を呼んで、話を聞かせたうえで住民の前で決断してもらうこともある。体験した参加者からは「怖かった」といわれることもある。怖いからこそ、チームの必要性がわかる」。2015年は41企業を受け入れ、リピーター率は8割を超えるという。なかには世界的な企業もある。
ほかにも、研修では企業からのリクエストに応え、林業や農業など体を動かす研修も取り入れた。
「林業はもともと3K職場と呼ばれていたが、ここでは林業に生きる意義を見つけて生き生きと働いている人たちがいる。そういう人たちに、つらくても、給料が低くても最高の仕事をしている姿をプレゼンしてもらい、研修生に自分たちの仕事の価値は何に置いてもらうかを考えてもらう」。(臼沢氏)
こちらでも臼沢氏が伝えたいのは、チームワークの重要性だ。ただひたすらマキを割る研修では、1人だけが優秀でもチームとしての成績は悪くなる。
臼沢氏は「これからもこの町ならではの変わったワークショップをやっていきたい」と話す。
被災経験を通じた学びの町へ
「人と出会うことで、人は変わることができる。多くの外部の人と接することで、この町の人たちも変わってきている。大槌町を、自分たちの被災経験を通じた『学びの町』にしていきたい」と、臼沢氏はコミュニティ・ビジネスの新しい1つの形を目指す。
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