2016/06/02
防災・危機管理ニュース

デロイト トーマツ リスクサービス株式会社(本社:東京都千代田区)は5月24 日、神奈川県横浜市にサイバー インテリジェンス センター(CIC)を開設した。顧客のインフラストラクチャをサイバー攻撃の脅威から守る拠点であり、デロイトの世界20 カ国以上のCICと直結した日本拠点として、デロイトが有する「予防(Secure)」、「発見(Vigilant)」、「回復(Resilient)」の全範囲を一貫的にカバーするトータルソリューション(サイバー インテリジェンス サービス)を24 時間365 日、日本語で一元的に提供できる体制を実現した。
1、グローバル規模で最新のサイバーセキュリティ情報を機動的かつタイムリーに収集・分析
世界20 カ国以上で展開するデロイトのCIC とのシームレスな連携が実現することで、これまで以上に機動的でタイムリーな情報の収集・分析が可能になる。グローバル規模で収集・分析したサイバー攻撃の最新事例、さらにスレット インテリジェンス アナリティクス (TIA)を通じて収集される、ダークWeb と呼ばれる通常の検索エンジンでは検索不可能なハッカー間のモニタリング情報など、より高度なインテリジェンスを活用し、クライアントの事業特性固有のリスクや緊急度の高いリスクについて、CIC から直接通知・報告することで、効果的なインシデントの予防につなげる。
2. 「発見」 新サービス「TSM プレミアム」を導入し、高度なサイバー攻撃や内部不正を迅速に検知
これまでの一般的なサイバーセキュリティ対策では、監視の対象が企業のシステムと外部ネットワークとの間の境界デバイスに限定されていて、高度なサイバー攻撃に速やかに対応できないという課題があった。同社ではこうした課題に対応するため、スレット セキュリティ モニタリング(TSM)を通じてクライアントの様々な機器のログを収集・分析し、組織内に潜在しているサイバー脅威を能動的に洗い出し、再発防止のアドバイスを行ってきた。今回のCIC開設を機に、新たに「TSM プレミアム」として、クライアントの社内システム(オンプレミス環境)にSIEM(Security Information and Event Management)製品を導入し、外部への持ち出しが困難なログ分析サービスを本格的に開始する。各企業内部のパソコン、E メール、ファイルサーバーなどの異常を迅速に検出することが可能になり、システム内部に入り込む高度なサイバー攻撃や内部不正などのコンプラインス・リスクにも効果的に対応することができる。
海外では、米国国防総省が全ての取引業者に対して、2017 年末までに社内の内部ネットワーク監視を義務化する等の動きもあり、社内システム監視を含むサイバーセキュリティ対策は、グローバルに事業を展開する上で必要不可欠な条件となりつつある。同じくデロイト トーマツ グループの一員であるデロイト トーマツ コンサルティング合同会社(DTC)などとも連携してサイバーセキュリティ対策に取り組んでいる。DTC は、米国国立標準技術研究所(NIST: National Institute of Standards and Technology)などで進められているサイバーセキュリティに関わる各種基準策定の動向も踏まえ、企業のグローバル事業展開をサイバーセキュリティの観点から支援する戦略コンサルティングも併せて提供していく方針だ。

3. 「回復」 日本初の「リモート フォレンジック」で迅速な回復支援を提供
高度化するマルウェアの被害に備え、CIC からの遠隔操作で早急なPC の隔離や復旧を行う「リモート フォレンジック」(*1)を日本で初めて提供する。迅速なインシデント対応を実現することで、被害を最小限に食い止め、速やかな回復を可能にする。マルウェア感染の予防策として、セキュリティパッチの適用を支援する「セキュリティ パッチマネジメント」(*2)を提供することで、エンドポイントにおける「予防」「発見」「回復」のトータルソリューションの提供を実現する。「リモート フォレンジック」と「セキュリティ パッチマネジメント」は、TSM のオプションとして導入される「エンドポイント スレット コントロール」(*3)の構成要素。
*1 リモート フォレンジック :回復
マルウェア感染が疑われるPC に対し、CIC のアナリストがリモートから論理遮断を行った上で、マルウェア感染の調査、回復および影響範囲の特定を行う。
*2 セキュリティ パッチマネジメント :予防
PC のセキュリティパッチ適用状況の可視化を行う。また、あらかじめ定義された適用ポリシーに基づき、セキュリティパッチの適用をリモートから支援する。
*3 エンドポイント スレット コントロール(ETC)
TSM スタンダードまたはプレミアムのオプションとして、潜在するマルウェアの「発見」だけでなく、その「予防」とインシデント発生時の「回復」をサービスとして提供する。
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
-
-
リスク対策.PROライト会員用ダウンロードページ
リスク対策.PROライト会員はこちらのページから最新号をダウンロードできます。
2025/05/05
-
企業理念やビジョンと一致させ、意欲を高める人を成長させる教育「70:20:10の法則」
新入社員研修をはじめ、企業内で実施されている教育や研修は全社員向けや担当者向けなど多岐にわたる。企業内の人材育成の支援や階層別研修などを行う三菱UFJリサーチ&コンサルティングの有馬祥子氏が指摘するのは企業理念やビジョンと一致させる重要性だ。マネジメント能力の獲得や具体的なスキル習得、新たな社会ニーズ変化への適応がメインの社内教育で、その必要性はなかなかイメージできない。なぜ、教育や研修において企業理念やビジョンが重要なのか、有馬氏に聞いた。
2025/05/02
-
-
備蓄燃料のシェアリングサービスを本格化
飲料水や食料は備蓄が進み、災害時に比較的早く支援の手が入るようになりました。しかし電気はどうでしょうか。特に中堅・中小企業はコストや場所の制約から、非常用電源・燃料の備蓄が難しい状況にあります。防災・BCPトータル支援のレジリエンスラボは2025年度、非常用発電機の燃料を企業間で補い合う備蓄シェアリングサービスを本格化します。
2025/04/27
-
自社の危機管理の進捗管理表を公開
食品スーパーの西友では、危機管理の進捗を独自に制作したテンプレートで管理している。人事総務本部 リスク・コンプライアンス部リスクマネジメントダイレクターの村上邦彦氏らが中心となってつくったもので、現状の危機管理上の課題に対して、いつまでに誰が何をするのか、どこまで進んだのかが一目で確認できる。
2025/04/24
-
-
常識をくつがえす山火事世界各地で増える森林火災
2025年、日本各地で発生した大規模な山火事は、これまでの常識をくつがえした。山火事に詳しい日本大学の串田圭司教授は「かつてないほどの面積が燃え、被害が拡大した」と語る。なぜ、山火事は広がったのだろうか。
2025/04/23
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/04/22
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方