化学兵器や生物兵器、核兵器などを使った特殊災害に備えるためのイベント「CBRNe CONVERGENCE Asia」が本日から品川の東京マリオットホテルで開催されている。CBRNeは、化学 (chemical)、生物 (biological)、放射性物質 ( radiological)、核 (nuclear)、爆発物 (explosive)の総称で、テロ攻撃の手段や大規模な事故災害の原因となる。イベントでは、国内外のテロや特殊兵器の専門家が集まり、講演を行う。初日は、警視庁警視総監の高橋清孝氏の開会あいさつに続き、陸上自衛隊大宮駐屯地化学学校司令官陸将補の吉野俊二氏が1995年の地下鉄サリン事件と2011年の福島第一原子力発電所事故での教訓について、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会警備局長の今井勝典氏が2020年五輪大会に向けた安全対策の課題や策略などについて講演した。

冒頭あいさつをするCBRNe WORLD編集長のGwyn Winfield氏
講演する東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会警備局長の今井勝典氏

本イベントを主催する雑誌社CBRNe WORLD編集長のGwyn Winfield氏は冒頭、ギリシャ神話でゼウスがパンドラに持たせたあらゆる災いの詰まったパンドラの箱を例に、「エピメテウスは開けてはいけないと言われたパンドラの箱を開け、すべての災いが地上に飛び出してしまったが、それでもゼウスが与えた希望だけは箱の中に残った。日本は世界に比べると幸いにしてテロの脅威は少なく、希望に満ちている。しかし、世界的なスポーツイベントはあらゆるテロの標的になる。希望のもとに、関係機関が力を合わせ十分に準備することができれば、あらゆる特殊災害も防ぐことができるだろう」とあいさつした。

 会場では、CBRNe対策の製品展示会も併せて開催されている。イベントは明日6月2日まで続く。本イベントには、本誌リスク対策.comも特別協力している。

 イベント参加には事前登録が必要(有料)。
http://www.cbrneworld.com/cbrneconvergenceasia#axzz4AIBkzOmx

 

展示会場の様子
主催者のCBRNe WORLDのブース

化学防護服を着た時の暑さ対策に使う冷媒ベスト
 
CBRNe対応の特殊マスク
除染装置。電源が無くても使うことができる。
放射線量を測定する特殊計測器
防護マスクのフィットテスト機材(正しく着用できるかを測定する)。

(了)