2016/06/03
防災・危機管理ニュース

「熊本の避難所で『夜はマンホールトイレや仮設トイレが暗くて怖くて使えない』という声が上がっているのを聞き、東日本大震災で避難所となった気仙沼市唐桑中学校の先生や生徒に教わったアイデアを試してみました」と話すのは、NPO法人日本トイレ研究所代表理事の加藤篤氏。同研究所が主催し、5月31日に都内で開催したトイレラボ勉強会「平成28年熊本地震・避難所トイレ報告」のなかで発表した。
益城町広安小学校避難所の仮設トイレへのアプローチに、通常であれば庭のライトアップに使用するソーラーライトを設置し、トイレを夜間の暗闇でも使いやすくした。昼間に太陽光を蓄光するため、停電時でも使用できる。ライトは隣接する県のホームセンターで購入。1個489円だった。東日本大震災では、上半分を切りとったペットボトルにこのライトをさして、停電時の建物内の誘導灯としても活用されたようだ。

加藤氏は「『遊園地みたい』と喜んでくれた母娘もいたようです。避難所は基本的に機能優先のため、被災者はがまんを強いられがちです。現地の人はこんなちょっとしたことで心が安らぐのでは」と話している。
次回のトイレラボ研究会は「災害時におけるトイレ問題と2020年に向けたグローバル対応」と題し、6月23日に開催予定だ。
第40回トイレラボ研究会<拡大版>
「災害時におけるトイレ問題と2020年に向けたグローバル対応」
http://www.toilet.or.jp/study/pdf/meeting/summary/160623.pdf
(了)
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/10/21
-
「防災といえば応用地質」。リスクを可視化し災害に強い社会に貢献
地盤調査最大手の応用地質は、創業以来のミッションに位置付けてきた自然災害の軽減に向けてビジネス領域を拡大。保有するデータと専門知見にデジタル技術を組み合わせ、災害リスクを可視化して防災・BCPのあらゆる領域・フェーズをサポートします。天野洋文社長に今後の事業戦略を聞きました。
2025/10/20
-
-
-
走行データの活用で社用車をより安全に効率よく
スマートドライブは、自動車のセンサーやカメラのデータを収集・分析するオープンなプラットフォームを提供。移動の効率と安全の向上に資するサービスとして導入実績を伸ばしています。目指すのは移動の「負」がなくなる社会。代表取締役の北川烈氏に、事業概要と今後の展開を聞きました。
2025/10/14
-
-
-
-
トヨタ流「災害対応の要諦」いつ、どこに、どのくらいの量を届ける―原単位の考え方が災害時に求められる
被災地での初動支援や現場での調整、そして事業継続――。トヨタ自動車シニアフェローの朝倉正司氏は、1995年の阪神・淡路大震災から、2007年の新潟県中越沖地震、2011年のタイ洪水、2016年熊本地震、2024年能登半島地震など、国内外の数々の災害現場において、その復旧活動を牽引してきた。常に心掛けてきたのはどのようなことか、課題になったことは何か、来る大規模な災害にどう備えればいいのか、朝倉氏に聞いた。
2025/10/13
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方