スピンでわかる横滑り防止装置の重要性

次に体験するのが、蛇行コースになっている「ワインディング低ミュー路(μ=0.4)」です。こちらは滑りやすい雪道を模したものです。

まずは、ABSやVSCをオフにして走ります。VSC(Vehicle Stability Control)というのは、ESC (Electronic Stability Control)という横滑り防止装置のトヨタ自動車の名称です。各メーカーごとに名称が異なっていることは、以前の記事に書きました。

■もしかしてブレーキ踏めない人が多い?
https://www.risktaisaku.com/articles/-/17339

仕組みについては、前回紹介したBoschの説明動画が、性能のすごさに感動できるので、お気に入りなんですが、今回は、横滑り防止装置の装着の「あり」と「なし」の比較動画を紹介しますね!

【ミライをつくる】ESC(横滑り防止装置)のON/OFF比較(出典:YouTube)

これくらい違ってくるというのにVSCをオフにして走るなんて…性能を知っているだけに、あれが当然起きることが予想されます。

あれ・・というのは、こちら。

トヨタ ドライバーコミュニケーション 「低ミュー路走行」(出典:YouTube)

スピンです。横滑り防止装置がないと、簡単にスピンしてしまいます。みなさんはスピンしたことがありますか?公道では練習できるわけがないですし、避けなければならないものなので、私は人生初スピン体験でした。

で、スピンしている最中って、不謹慎な話ですが、事故にならなければ結構気持ちいいというか・・・・遠心力の動きに抗わず、美しい曲線を描きながら回転していくのです。感覚としては、つるーっとして、あくまでも滑らかな感じなのです。怖いというより、自然な感じ。知らなかった感覚です。

むしろ高速フルブレーキの時は、全身を使って慣性力に抗っている訳で、体力も精神力も使います。スピン自体は、とても自然な動きなのに、その後に衝突してしまって衝撃を受けるのだなという当たり前の事があらためてわかりました。

今度は、VSCをオンにすると・・・・まったく違う世界になります。自分の運転技術があがったように簡単に錯覚できます。各タイヤごとに横滑りを微調整して人にはできない走りになるよう修正してくれるんですから。

VSCが作動してる走行。見る人が見たら、ハンドルを切ってるのに、横滑りしていない写真というのがわかるそう(写真提供:あんどうりす)

もっとも、VSCを作動させても速度を上げると…やっぱりコントロールできなくなります。すべては速度を落とす事が大事、そうしないとせっかく高性能になっているクルマの機能を生かす事ができないということがわかります。

以上から、前からずっと言い続けている、スピードを出しすぎない、ハンドルを切るよりもまずブレーキ優先!(ABS/ESC装着車の場合)ということの大切さが、実感としてもわかりました!