2015/07/10
C+Bousai vol3
地区防災計画モデル地区フォーラム
大槌町安渡地区は岩手県沿岸部南寄りに位置している。2011 年3 月11日の東日本大震災では、防潮堤を津波が乗り越えて町を破壊。当時の安渡地区人口の11%、218 人が犠牲となった。当時の安渡地区には約600 世帯2000 人近く居住していたが、現在は145世帯まで減少している。
3.11 の記録を次世代に継承するため、安渡町内会防災づくり検討会を組織し、今回の震災の問題点を検証し、従来の防災対策を大幅に見直した。
2011年度から検証のためのヒアリングを始め、2012 年6月から検討会を開催した。アンケート調査も行い、11 回にわたる検討会を経て、2013年10月に安渡地区津波防災計画を策定した。その後、防災活動の制度改革に向けた安渡町内会と大槌町の懇談会、合同防災訓練・検証会議などを積極的に開催している。これらの活動には学識経験者の先生方の御協力をいただいている。
当地区では、避難行動に関する検証を行ったが、その結果、生存者は早い時間帯に半分以上の住民が避難を開始していたが、避難場所への到着は、津波の襲来の直前になっていた。家族の安否確認や要援護者誘導、津波の見学などが原因である。このように、生存者でも想定の甘さなどから正しい避難行動をしていなかった可能性がある。
C+Bousai vol3の他の記事
おすすめ記事
-
競争と協業が同居するサプライチェーンリスクの適切な分配が全体の成長につながる
予期せぬ事態に備えた、サプライチェーン全体のリスクマネジメントが不可欠となっている。深刻な被害を与えるのは、地震や水害のような自然災害に限ったことではない。パンデミックやサイバー攻撃、そして国際政治の緊張もまた、物流の停滞や原材料不足を引き起こし、サプライチェーンに大きく影響する。名古屋市立大学教授の下野由貴氏によれば、協業によるサプライチェーン全体でのリスク分散が、各企業の成長につながるという。サプライチェーンにおけるリスクマネジメントはどうあるべきかを下野氏に聞いた。
2025/12/04
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/12/02
-
-
-
-
-
-
目指すゴールは防災デフォルトの社会
人口減少や少子高齢化で自治体の防災力が減衰、これを補うノウハウや技術に注目が集まっています。が、ソリューションこそ豊富になるも、実装は遅々として進みません。この課題に向き合うべく、NTT 東日本は今年4月、新たに「防災研究所」を設置しました。目指すゴールは防災を標準化した社会です。
2025/11/21
-
サプライチェーン強化による代替戦略への挑戦
包装機材や関連システム機器、プラントなどの製造・販売を手掛けるPACRAFT 株式会社(本社:東京、主要工場:山口県岩国市)は、代替生産などの手法により、災害などの有事の際にも主要事業を継続できる体制を構築している。同社が開発・製造するほとんどの製品はオーダーメイド。同一製品を大量生産する工場とは違い、職人が部品を一から組み立てるという同社事業の特徴を生かし、工場が被災した際には、協力会社に生産を一部移すほか、必要な従業員を代替生産拠点に移して、製造を続けられる体制を構築している。
2025/11/20
-
企業存続のための経済安全保障
世界情勢の変動や地政学リスクの上昇を受け、企業の経済安全保障への関心が急速に高まっている。グローバルな環境での競争優位性を確保するため、重要技術やサプライチェーンの管理が企業存続の鍵となる。各社でリスクマネジメント強化や体制整備が進むが、取り組みは緒に就いたばかり。日本企業はどのように経済安全保障にアプローチすればいいのか。日本企業で初めて、三菱電機に設置された専門部署である経済安全保障統括室の室長を経験し、現在は、電通総研経済安全保障研究センターで副センター長を務める伊藤隆氏に聞いた。
2025/11/17







※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方