2016/07/25
誌面情報 vol56

4月14日の「前震」では、発生後1時間程度でほぼ全社員が会社に集まり、顧客の安否確認にあたったというアネシス(熊本市東区)。九州は台風の上陸が多く、住宅の被害も多く発生することから、同社では10数年前から災害対応マニュアルを作るなど対策に力を入れてきた。
社員約100人の中小企業だが、災害の発生時には災害対策室を立ち上げることが決められている。「住宅被害が発生しそうなレベル」というのが設置の基準だ。

一戸紀見華氏(右)
災害対策室のメンバーは15人。社長や役員がいなくても迅速に対応にあたれるよう、予算を含め、ほぼすべての権限が災害対策室長となる前田優課長に与えられている。「もちろんその都度、社長と相談しますが、基本的には災害対応にかかる判断はすべて任されています」(前田氏)。
平時の業務と調整しながら災害対応にあたれるよう、対策室長および副室長の下に、各事業部長でつくる執行部を介して、情報班、指示班、緊急班、訪問班、積算班を置く。
災害発生時には、災害対策室が立ち上がるだけでなく、子供がいる母親などを除いて、全員が会社に集まるというのが同社のルール。14日夜に発生した熊本地震の前震でも、ほぼ全員が集まった。「参集の基準を明確に決めているわけではありませんが、毎年のように大きな台風が来るので、社員の心の準備もできていたのでしょう」(前田氏)。
緊急連絡は日常的にメールやLINE(ライン)を使っている。社員の安否を確認しながら、並行して約2100件にのぼる既存顧客(住宅オーナー)すべてに電話かけを実施した。
「お客様がご無事かどうかを確認するのが基本。翌日以降でも不具合があれば、遠慮なく連絡してほしいということを伝えました」と前田氏は説明する。
誌面情報 vol56の他の記事
おすすめ記事
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!【2023年3月28日配信アーカイブ】
【3月28日配信で取り上げた話題】今週の注目ニュースざっとタイトル振り返り/特集:内閣府事業継続ガイドラインの改定/ヘルメット努力義務化
2023/03/28
-
-
-
-
組織の垣根を越えるリスクマネジメント活動
住宅建材・設備機器メーカー大手の株式会社LIXILHOUSING TECHNOLOGYは「体系化」「情報」「活動」の3軸をベースにリスクマネジメントを展開。重点活動の一つが、自然災害リスクに対する対応力向上活動です。災害による被害の最小化は住宅建材設備を供給する者の責任と位置付ける同社の取り組みを紹介します。
2023/03/19
-
コカ・コーラにおけるリスクマネジメントERMとリスク対応計画の枠組み
ザ コカ・コーラ カンパニーは、ビジネスにおいて何らかのリスクが発生し悪影響を及ぼす可能性があることを認識し、それらに対処するプロセスを展開しています。日本においても、日本コカ・コーラをはじめ全国のコカ・コーラボトラーズ各社と連携を図っています。包括的企業リスク管理(ERM)プログラムによって、ビジネスに破壊的な影響を及ぼすリスクの軽減戦略を実行すると同時に、ビジネスの機会を積極的に模索しスマートにリスクをとることを可能にしています。取り組みの内容を日本コカ・コーラ株式会社 広報・渉外&サステナビリティ推進部 リスクマネジメント&クライシスレゾリューション シニアマネジャーの清水 義之さんにご発表いただきました。2023年3月14日開催。
2023/03/16
-
-
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方