豊洲エリアの住民がスマートフォンで災害関連情報をウェブ上の掲示板に投稿

アビームコンサルティングは8月31日、東京都江東区立豊洲西小学校で行われた豊洲五丁目・六丁目地域防災訓練において、スマートフォンから住民が発信した情報を活用する情報伝達訓練を実施した。AI(人工知能)を用いて処理し、役立つ情報を自治会などに届けた。

この訓練ではウェブ上に専用の掲示板を設置。住民が投稿した情報をAIによる言語処理を用いて、ライフライン被害や負傷者発生といった救助関連など、カテゴリー別に分類していった。AIはデマの排除にもつなげていけるという。

解析された情報を自治会がパソコンで確認

林立するタワーマンションを主とした地域住民にスマートフォンによる参加を呼びかけ。今回は225件の投稿があり、125件程度を解析。自治会などによる災害協力隊がパソコンで情報を見て、ホワイトボードに書き出すなどの作業を行った。

情報はホワイトボードに書き出された

この事業は総務省からの委託事業で、アビームコンサルティングによるとSNSに数多く投稿される情報処理をAIで行い、分類やデマの排除を行い、救助に役立てていくことが目的。情報通信研究機構(NICT)の対災害SNS情報分析システム(DISAANA)や、ツイッター上の情報を活用する災害状況要約システム(D-SUMM)の社会実装の一面もあるという。今後はAIによる画像解析も強化し、救助の円滑化へSNS上の情報の活用強化を目指す。

(了)

リスク対策.com:斯波 祐介