2016/09/27
誌面情報 vol56
様々な角度から情報を収集
白馬村観光局としてこの地震でとった対応はシンプルで、情報を収集してそれを正確に発信しようと心がけました。被害に遭われた方の対応などは行政が100%担っているので白馬村観光局という観光に特化した組織は、冬を目前に控えた時期に地震が起きたので、この状況下でも一人でも多くの人に白馬に来てもらえるよう力を尽くしました。
まず情報収集について話します。先ほど説明大きな被害が出た白馬村堀之内地区 した人的被害や建物の被害の他にも道路や電車など交通機関の被害、観光施設のスキー場、宿、飲食店、お土産物屋などの施設がどういう状況なのか、また実際に携わっている人たちがどういう状況なのかコミュニケーションを取りながらいろいろな情報を収集しました。
外部の情報にも注視していました。横浜にある私の実家に毎日のように電話をかけてニュースでどう取り上げられているのか確認していましたし、妻は名古屋近くの出身なので、妻の実家にも流れている情報を電話で確認していました。集めた情報を観光局で交換しながらずっと情報収集を進めていました。
そうしてる間に、インターネット上の情報で間違いを発見しました。Yahoo!のトップページに「JR大糸線運休」と表示されていました。大糸線は松本から糸魚川までの線で、実際の運休区間は白馬より先の一部分だけでしたが、けれどもYahoo!の表示だと全線不通だと思われると考え、Yahoo!に連絡して相談をしました。一例ですが、このように職員がいろんなところで様々な情報を集めていました。
3日以内の情報発信が重要
続いて情報発信について話します。情報発信の初期段階で重要なのは「スピード」「受け取り手の感情」「伝えたいイメージ」のバランスだと思います。
地震があったのは11月22日の夜。観光局として初めての情報発信は、地震3日後の25日にFacebookで「たくさんの温かい応援ありがとうございます。皆さんの応援は力となり、最高のリゾートを創り出すでしょう。ウィンターシーズンももうすぐです。さあ準備を始めましょう」とプラスなイメージで出しました。
実は25日にホームページの担当が気づいたのですが、観光局ホームページのアクセス数が、地震の翌日に多いときの3倍くらい、翌日にはガクンと減りましたがそれでも2倍以上の方がアクセスしてくれていました。担当者は「明日には、(通常レベルに)戻ってしまうのではないか」と考えて急いでプラスのイメージの情報を発信したのです。
ホームページを見る方は情報を取りに来てくれた方です。ということは私たちにとって一番正確な情報を伝えたいお客さまです。その方々がこんなにアクセスしてくれるのだから、どうにかプラスの情報を与えたいと。
可能ならば3日以内にある程度の情報を発信するといいと思います。スキー場のホームページも、3日間くらいはアクセス数が増えて、そこからは平常に戻ったそうです。
誌面情報 vol56の他の記事
- 組織の風評被害対策アンケート
- 企業の魅力度が風評に影響する
- 不祥事対応における風評発生メカニズム
- 被害のパターンを見極めることが大切
- 風評マネジメントで観光を立て直す
おすすめ記事
-
防災は面白くないと広がらない
地震が起きたとき、スマートフォンに通知された情報を頼りに避難を判断することが多いだろう。緊急地震速報の情報から、いまどのように動くべきかを判断できる、そんな身近な危機管理を習慣づけた1 社が、アールシーソリューション(東京都新宿区)だ。2010 年に提供開始したスマートフォンアプリ「ゆれくるコール」は、緊急地震速報を受信できるアプリとして多くのユーザーが利用している。代表取締役の栗山章さんは、数多くのユーザーに防災の重要性を広めてきた一方で、ビジネスとして成り立たせる難しさにも直面してきたという。これまでのサービス開発の経緯や、防災ビジネスへの価値観を聞いた。
2026/09/09
-
被災施設への再入場判断「戻ってはいけない」では解決しない避難後の問題
大地震が発生し、安全な場所へ避難して一息つくと、人々には「ひとまず危険のピークは過ぎた」という根拠なき安心感が芽生える。そして、さまざまな理由で「避難してきた場所に戻りたい」といった気持ちが生じる。しかし、被害がどの程度なら戻ってよいのかについての明確なルールや事例は、どこを探してもあまり見当たらない。 国には応急危険度判定という仕組みや、施設管理者が建物を緊急点検するための指針などもある。が、これらは避難直後の「戻りたいニーズ」に応える仕組みではない。ここに、避難直後の「再入場」という古くて新しい問題がある
2026/09/09
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2026/09/08
-
リスク対策.PROライト会員用ダウンロードページ
リスク対策.PROライト会員はこちらのページから最新号をダウンロードできます。
2026/09/07
-
-
-
暗黙知を形式知へ、10年の徹底改善が生きた
熊本市の工務店・新産住拓株式会社(小山英文社長)は、2016年の熊本地震や近年相次ぐ豪雨災害を通じて災害対応を磨き上げてきた。発生当日は、約3割の社員が定休日で社長も不在という条件下にもかかわらず、地震発生から50分で社員の安否確認をおおむね完了し、2時間後にはホームページや顧客専用サイトで被害受付を開始した。
2026/08/24
-
-
-







※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方