2019/09/27
アウトドア防災ガイド あんどうりすの『防災・減災りす便り』
クルマから家へも給電可能
「それだけだと使うものが限られている。もっと何とかできないの?」と思った方は、ハイブリッド車(HV)だったらできる事が増えます。
【プリウスPHV】1500Wあれば、けっこういける。(出典:YouTube)
映像はプラグインハイブリッド車(PHVまたはPHEV)ですが、1500Wまで使える説明なのでここで紹介しました。
ハイブリッド車の多くには、100V・1500Wまで使える電源が標準(またはオプション)設定されていますから、石油ファンヒーターや洗濯機、電気炊飯器まで使える可能性が出てきます。しかもハイブリッド車はもともと、エンジンを回して発電した電力で走るようにできていますから、ガソリンが空っぽになるまで1500Wを使い続けることができます(でもガソリンスタンドまで走れる量は残しておかないと大変なことに!)。
ハイブリッド車にお乗りのかたは、自分のクルマに100V電源が装備されているか、ぜひチェックしてみて下さい。またこれから購入を考えているかたは、装備されているものを選べば災害の時に役立てることができます(ただし家の中まで引いてくるための延長コードは必須です)。
また、ハイブリッド車はレンタカーもありますので、災害時、電気がどうしても必要な方が借りやすくするというシステム作りもありなのかなと思います。
さらに、もっとできるクルマたちがいます。あなたのクルマが、プラグインハイブリッド車や電気自動車(EV)、燃料電池自動車(FCV)ならば、上記に加えて、家庭の配電盤に直接電気を供給するV2Hにも対応できます。
「V2Hっていったい何のこと?」って最初は思ったのですが、「Vehicle To Home」(車to家)という意味です。写真のように、クルマとV2Hの受電設備(写真では銀色の機器)をつなぐことによって、クルマから家へと給電できるようになるのです。

これを使って電気を送ると、普通に暮らしているのと同じように、家で電気が使えます。停電していてもいつもと同じ生活ができるのはありがたいですよね。
エネマネ いざという時の備え(出典:YouTube)
どれくらいの時間、電気を使い続けられるかというと、プリウスPHVの場合、充電もガソリンも満タン状態で、一般家庭平均の4日分、日産リーフ(62キロワット時仕様)の場合、満充電状態で同じく4日分程度、三菱アウトランダーPHEVはエンジン発電との組み合わせで10日分とホームページに記載しています。医療機器を使用している方は、この方法も知っておいていただきたいです。
【リーフ】その時 #電気自動車 だからできること (EV for Resilience、出典:YouTube)
アウトドア防災ガイド あんどうりすの『防災・減災りす便り』の他の記事
おすすめ記事
-
-
カムチャツカ半島と千島海溝地震との関連は?
7月30日にカムチャツカ半島沖で発生した巨大地震は、千島からカムチャツカ半島に伸びる千島海溝の北端域を破壊し、ロシアで最大4 メートル級の津波を生じさせた。同海域では7月20日にもマグニチュード7.4の地震が起きており、短期的に活動が活発化していたと考えられる。東大地震研究所の加藤尚之教授によれば、今回の震源域の歪みはほぼ解放されたため「同じ場所でさらに大きな地震が起きる可能性は低い」が「隣接した地域(未破壊域)では巨大地震の可能性が残る」とする。
2025/08/01
-
巨大地震後に噴火 カムチャツカ半島・クリュチェフスカヤ火山地震と噴火の関係は?専門家に聞く
7月30日に発生した、カムチャツカ半島沖を震源とするマグニチュード8.7の地震は、遠く離れた日本の太平洋沿岸一帯に、広く警報を発令させるほどの津波をもたらした。さらにカムチャツカ半島では地震発生後に、クリュチェフスカヤ火山が噴火した。巨大地震がこの噴火の引き金になったのか。地震と噴火の関係について、火山と地震の観測が専門で、調査のために約20回もカムチャツカ半島に足を運んでいる、北海道大学理学研究科附属地震火山研究観測センター教授の高橋浩晃氏に聞いた。
2025/07/31
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/07/29
-
-
-
「想定外」を乗り越える力コカ・コーラ ボトラーズジャパンが挑む、危機管理の再構築
コカ・コーラ社製品の製造、販売、自動販売機のオペレーションなどを手掛ける、コカ・コーラ ボトラーズジャパン株式会社は、2024年の能登半島地震を機に、危機管理体制の再強化に乗り出している。直接的な被害は免れたものの、系列他社の被災や支援要請の集中を通じて、情報伝達や意思決定、業務の優先順位といった多くの課題が顕在化した。同社は今、グローバル基準の危機対応フレーム「IMCR」の再徹底を軸に、全社一丸の再構築に踏み出している。
2025/07/21
-
-
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方