新年1月3日、新幹線で新大阪に帰り着いた私は、お土産を買うために駅構内にある京漬物のお土産店へ向かいました。そこで見た光景は凄まじいものでした。売り場の前に女性が群がって大騒ぎしていたのです。棚の横には着物姿の若い売り子が笑顔で立っていました。

驚いたのは、まさに私が買うつもりの浅漬けの大根(ビニール袋入り)を、女性たちは袋が生温かくなるほど、いじくり回して去っていったからです。

売り子に尋ねました。「女性たちは何を騒いでいたのですか」すると、「大根の重量が違うので重量の多い袋を手ばかりで選んでいたのです」と。

大根の浅漬けには重量表示(グラム数)がありません。2分の1本に大小があるというのです。たかだか10グラムか20グラム、1切か2切れ程度の違いです。そこまでこだわって騒いでいるのはいかがなものでしょうか。素手で長時間商品をもてあそんでいることに私は唖然としました。

おりしも昨年12月以降、中国の湖北省、武漢市で原因不明の肺炎が発生し、日本の検疫所では武漢市から帰国した人で咳や発熱などの症状がある場合には、検疫官に申し出るようにという指示が出ていました。そんな最中の出来事でした。