2017/02/06
防災・危機管理ニュース
住民が避難場所を決める
秩父市の久那地区では、2015年3月から、地区住民が中心となり、逃げ地図づくりを行うことで大雨時の避難場所や避難ルートを見直してきた。山間部で土砂災害警戒区域が多く存在する同区では、これまで市が地震時の避難所としてきた小学校が警戒区域内に存在するなど、避難体制に課題があった。
そこで久那地区の3町会は、明治大学都市計画研究室の支援を得て、3回にわたる逃げ地図づくりのワークショップを実施。その中で、「久那地区は広いので、小学校に行く前に、近くの集会所や寺院、民家にまず避難した方がより安全なことが可視化された」(明治大学教授の山本氏)という。
こうした結果を踏まえ、市では、地区防災計画制度を活用して、これらの施設を町内会が指定する大雨時の避難場所にすることを共有するとともに、「逃げ地図を使った防災の普及啓発活動についても地区防災計画に盛り込み、他の地域にも広げていきたい」(秩父市危機管理課担当者)としている。
早ければ来年度早々にも防災会議に諮り、地域防災計画に組み入れたい考えだ。同時に、今後、久那地区以外の数地区でも地区防災計画を策定していく予定だ。
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
リスク対策.PROライト会員用ダウンロードページ
リスク対策.PROライト会員はこちらのページから最新号をダウンロードできます。
2025/12/05
-
競争と協業が同居するサプライチェーンリスクの適切な分配が全体の成長につながる
予期せぬ事態に備えた、サプライチェーン全体のリスクマネジメントが不可欠となっている。深刻な被害を与えるのは、地震や水害のような自然災害に限ったことではない。パンデミックやサイバー攻撃、そして国際政治の緊張もまた、物流の停滞や原材料不足を引き起こし、サプライチェーンに大きく影響する。名古屋市立大学教授の下野由貴氏によれば、協業によるサプライチェーン全体でのリスク分散が、各企業の成長につながるという。サプライチェーンにおけるリスクマネジメントはどうあるべきかを下野氏に聞いた。
2025/12/04
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/12/02
-
-
-
-
-
-
目指すゴールは防災デフォルトの社会
人口減少や少子高齢化で自治体の防災力が減衰、これを補うノウハウや技術に注目が集まっています。が、ソリューションこそ豊富になるも、実装は遅々として進みません。この課題に向き合うべく、NTT 東日本は今年4月、新たに「防災研究所」を設置しました。目指すゴールは防災を標準化した社会です。
2025/11/21
-
サプライチェーン強化による代替戦略への挑戦
包装機材や関連システム機器、プラントなどの製造・販売を手掛けるPACRAFT 株式会社(本社:東京、主要工場:山口県岩国市)は、代替生産などの手法により、災害などの有事の際にも主要事業を継続できる体制を構築している。同社が開発・製造するほとんどの製品はオーダーメイド。同一製品を大量生産する工場とは違い、職人が部品を一から組み立てるという同社事業の特徴を生かし、工場が被災した際には、協力会社に生産を一部移すほか、必要な従業員を代替生産拠点に移して、製造を続けられる体制を構築している。
2025/11/20






※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方