2017/02/06
防災・危機管理ニュース
住民が避難場所を決める
秩父市の久那地区では、2015年3月から、地区住民が中心となり、逃げ地図づくりを行うことで大雨時の避難場所や避難ルートを見直してきた。山間部で土砂災害警戒区域が多く存在する同区では、これまで市が地震時の避難所としてきた小学校が警戒区域内に存在するなど、避難体制に課題があった。
そこで久那地区の3町会は、明治大学都市計画研究室の支援を得て、3回にわたる逃げ地図づくりのワークショップを実施。その中で、「久那地区は広いので、小学校に行く前に、近くの集会所や寺院、民家にまず避難した方がより安全なことが可視化された」(明治大学教授の山本氏)という。
こうした結果を踏まえ、市では、地区防災計画制度を活用して、これらの施設を町内会が指定する大雨時の避難場所にすることを共有するとともに、「逃げ地図を使った防災の普及啓発活動についても地区防災計画に盛り込み、他の地域にも広げていきたい」(秩父市危機管理課担当者)としている。
早ければ来年度早々にも防災会議に諮り、地域防災計画に組み入れたい考えだ。同時に、今後、久那地区以外の数地区でも地区防災計画を策定していく予定だ。


防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/10/14
-
走行データの活用で社用車をより安全に効率よく
スマートドライブは、自動車のセンサーやカメラのデータを収集・分析するオープンなプラットフォームを提供。移動の効率と安全の向上に資するサービスとして導入実績を伸ばしています。目指すのは移動の「負」がなくなる社会。代表取締役の北川烈氏に、事業概要と今後の展開を聞きました。
2025/10/14
-
-
-
-
トヨタ流「災害対応の要諦」いつ、どこに、どのくらいの量を届ける―原単位の考え方が災害時に求められる
被災地での初動支援や現場での調整、そして事業継続――。トヨタ自動車シニアフェローの朝倉正司氏は、1995年の阪神・淡路大震災から、2007年の新潟県中越沖地震、2011年のタイ洪水、2016年熊本地震、2024年能登半島地震など、国内外の数々の災害現場において、その復旧活動を牽引してきた。常に心掛けてきたのはどのようなことか、課題になったことは何か、来る大規模な災害にどう備えればいいのか、朝倉氏に聞いた。
2025/10/13
-
-
リスク対策.PROライト会員用ダウンロードページ
リスク対策.PROライト会員はこちらのページから最新号をダウンロードできます。
2025/10/05
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方