英語の後はスペイン語、中国語と続々

実は日本語版の後、すぐに英語版を作ったのですが、それからの展開はとても早かったのです。

英語版に訳してくださった方が、スペイン語に訳してくださる方を紹介してくださったかと思うと……

すぐに中国語版の話も出ました。それが11月の後半です。その後中国語訳の試案がでてきて配布の準備を始めようとしていた1月24日に、中国の武漢で最近流行している肺炎があるので、このコピーが欲しいという話をお聞きしました(「China needs this copy as the Wuhan pneumonia outbreak recently」という連絡がありました。まだWHOからCOVID-19の名称決定がある以前の話題だったので、最近の武漢での肺炎という表記になっています)。 

マンガで対象にしているのは、感染した方の対策の話ではありませんが、COVID-19の感染の発生で心配になった人がミルクを買い占めるなんてことのないように、ミルクはミルクが必要な人にちゃんと行き渡るようにと願いを込めて、中国語版を作成しました。

この間、上海、北京、台湾の方々が力をあわせて、迅速にボランティアで訳を完成してくださっていることに感動していました。

ところで、中国語版は、二つ作るのが国際的には大切ってご存じでしたか? 简体字(かんたいじ)と繁體字(はんたいじ)、simplified Chineseとtraditional Chineseです。

この繁體字というのは、台湾のITの天才大臣、オードリー・タン氏が東京都のCOVID-19の対策サイトの言語選択欄で、「体」となっていたのを「體」に修正依頼してくれたということで話題にもなったので、覚えている方もいらっしゃるのではないでしょうか?

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200309-00010001-bfj-sci

その、東京都が「GitHub」を使って改善したサイトはこちらです。オープンソースにしているところが素晴らしいですね!

https://stopcovid19.metro.tokyo.lg.jp

オープンソースだとオードリー・タン氏だけでなく、国内のさまざまなエンジニアの力を生かすことができますね。感染者数のデータもオープンになっています。これからの情報はオープンであることが大事だなと思いました。

さて本題に戻って、二つの中国語の作成です。

上が简体字で下が繁體字になります。「りすからのひとこと」についても、注意事項とされるのか、補充事項とされるのか表現が違っていますね。

また、スフィア基準も含めて、国際基準の考え方の基本でもありますが、最低限の権利を保障し、一人一人の選択を大切にすることは当然の前提です。この話を「母乳対ミルク」の話とミスリードされるケースもほんとに多くあるので(特に女性の地位が低い国でそれが顕著ですが、それについてはまたいつか書きます)、それは絶対に避けなければなりません。

そのことを伝えるコマが、「母乳をあげる権利を保障するだけで、母乳をあげなくてはいけないとか義務の話ではないよ」いうコマです。

この、「権利」の文字は简体字と繁體字で違うんですね。勉強になりました。ちなみに「リス」はどちらも「松鼠」でした。日本語だと「栗鼠」と書いてリスと読みますが、松なんですね!