2017/04/24
ランサムウェアと最新セキュリティ情報

矢野経済研究所は18日、IT 事業者、通信事業者、セキュリティソフトウェアメーカーなど危機管理ソリューション提供事業者を対象に実施した、国内の危機管理ソリューション市場に関する調査結果を発表した。それによると、2016年度の国内の危機管理ソリューション市場規模(事業者売上高ベース)は前年度比5.8%増の8967億円の見込み。また2020年東京オリンピック・パラリンピックを控え、サイバーテロ攻撃対策強化がさらに進むと予測している。
同所によると、2016年に発生した熊本地震の影響により過去に策定したBCP(事業継続計画)を見直す動きが増加し、DR(災害対策)ソリューション市場ではクラウド型サービスの利用が拡大し導入企業の裾野が拡大したという。防災ソリューション市場では、政府、地方自治体ともに、導入済みの各システムの高度化、高機能化を継続的に進め、情報セキュリティソリューション市場では、サイバーテロ攻撃への情報セキュリティ対策の導入を促進する機運が高まったとのことだ。
2017年度以降は、時間の経過に伴い災害に対する危機意識が薄れていくことや、主だった企業が対策を完了済みであること、またクラウド型サービスの登場によりサービス単価が下落していることなどから、市場の伸び率は鈍化していく見通しという。
情報セキュリティソリューション市場では、近年のサイバーテロ攻撃による情報漏えい被害の増加から、情報セキュリティ対策を重視する企業や地方自治体が増加していて、「2020年東京オリンピック・パラリンピックを控え、情報セキュリティ対策の強化への取り組みがますます加速されていくと推測する」(同所)。国内の危機管理ソリューション市場規模(事業者売上高ベース)は、2015年度から2021年度まで年平均成長率3.9%で推移し、2021年度に1兆632億円に達すると予測している。
■ニュースリリースはこちら
http://www.yano.co.jp/press/press.php/001680
(了)
ランサムウェアと最新セキュリティ情報の他の記事
おすすめ記事
-
柔軟性と合理性で守る職場ハイブリッド勤務時代の“リアル”な改善
比較サイトの先駆けである「価格.com」やユーザー評価を重視した飲食店検索サイトの「食べログ」を運営し、現在は20を超えるサービスを提供するカカクコム(東京都渋谷区、村上敦浩代表取締役社長)。同社は新型コロナウイルス流行による出社率の低下をきっかけに、発災時に機能する防災体制に向けて改善に取り組んだ。誰が出社しているかわからない状況に対応するため、柔軟な組織づくりやマルチタスク化によるリスク分散など効果を重視した防災対策を進めている。
2025/06/20
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/06/17
-
サイバーセキュリティを経営層に響かせよ
デジタル依存が拡大しサイバーリスクが増大する昨今、セキュリティ対策は情報資産や顧客・従業員を守るだけでなく、DXを加速させていくうえでも必須の取り組みです。これからの時代に求められるセキュリティマネジメントのあり方とは、それを組織にどう実装させるのか。東海大学情報通信学部教授で学部長の三角育生氏に聞きました。
2025/06/17
-
-
入居ビルの耐震性から考える初動対策退避場所への移動を踏まえたマニュアル作成
押入れ産業は、「大地震時の初動マニュアル」を完成させた。リスクの把握からスタートし、現実的かつ実践的な災害対策を模索。ビルの耐震性を踏まえて2つの避難パターンを盛り込んだ。防災備蓄品を整備し、各種訓練を実施。社内説明会を繰り返し開催し、防災意識の向上に取り組むなど着実な進展をみせている。
2025/06/13
-
「保険」の枠を超え災害対応の高度化をけん引
東京海上グループが掲げる「防災・減災ソリューション」を担う事業会社。災害対応のあらゆるフェーズと原因に一気通貫の付加価値を提供するとし、サプライチェーンリスクの可視化など、すでに複数のサービス提供を開始しています。事業スタートの背景、アプローチの特徴や強み、目指すゴールイメージを聞きました。
2025/06/11
-
-
その瞬間、あなたは動けますか? 全社を挙げた防災プロジェクトが始動
遠州鉄道株式会社総務部防災担当課長の吉澤弘典は、全社的なAI活用の模索が進む中で、社員の防災意識をより実践的かつ自分ごととして考えさせるための手段として訓練用のAIプロンプトを考案した。その効果は如何に!
2025/06/10
-
-
緊迫のカシミール軍事衝突の背景と核リスク
4月22日にインド北部のカシミール地方で起こったテロ事件を受け、インドは5月7日にパキスタン領内にあるテロリストの施設を攻撃したと発表した。パキスタン軍は報復として、インド軍の複数の軍事施設などを攻撃。双方の軍事行動は拡大した。なぜ、インドとパキスタンは軍事衝突を起こしたのか。核兵器を保有する両国の衝突で懸念されたのは核リスクの高まりだ。両国に詳しい防衛省防衛研究所の主任研究官である栗田真広氏に聞いた。
2025/06/09
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方