2017/06/23
ランサムウェアと最新セキュリティ情報
AOSデータはランサムウェア特化型の対策ソリューション「ファイナルランサムディフェンダー」を4月5日から発売。世界中に被害が拡大していることから、現在では30日間の無償提供も実施している。他社のウィルス対策ソフトと併用もでき、価格は1クライアント当たり2698円(税込み)。
ランサムウェアはコンピュータに不正にインストールされ、ユーザーのデータを勝手に暗号化。犯人は暗号を解くためのパスワードを送る代わりに身代金を要求するマルウェアの1つ。
米ロサンゼルスの病院では2016年2月にランサムウェアによって患者のデータなどを暗号化され、身代金として1万7000ドル(約200万円)相当のビットコインを支払ったという。韓国ホスティングサービス企業のNAYANAは今年6月10日にランサムウェアに感染。最終的に13億ウォン(約1億5000万円)を支払うことで妥結したが、経営に深刻な影響を及ぼしている。
日本国内でも今年5月以降で大手メーカーやインフラ会社、流通小売業などで感染が多発し、いずれも長時間にわたり業務がストップするなどの影響が出ている。
同社執行役員CIO情報システム部長の内山勇二氏は「ランサムウェアに感染した場合、犯人に身代金を払ったとしても回復する確率は一般的に50%以下と言われている。ランサムウェア専用の対策プログラムが必要」と話す。
「ファイナルランサムディフェンダー」は①マルウェア検査②おとりファイル診断③ふるまい検知④フォルダの保護の4段階でパソコンを保護。さらに自動のファイルバックアップシステムにより、万一ランサムウェアに感染した場合でもファイルを感染直前の状態に復元することができる。
内山氏は「現在、ランサムウェアからユーザデータを守れる完璧な対応策はない。予防策として本ソフトを入れるとともに、できれば普段からクラウドにデータのバックアップをとるなどの対策を施してほしい」としている。
同社は破損したハードディスクの復旧や、警察や弁護士に対して犯罪捜査上で必要な電子鑑識(デジタルフォレンジック)などを手がける会社として1995年に設立。現在ではクラウドデータバックアップにAIを活用し、画像やテキストを検索しやすくしたサービスなどを幅広く展開している。
■ニュースリリースはこちらから
ランサムウェア対策ツール30日無償版を提供
http://www.aosdata.co.jp/security-freetrial/
■関連ニュース
クラウドバックアップデータ検索にAI導入~画像を自動分析でタグ付け、検索しやすく~
http://www.risktaisaku.com/articles/-/2976
(了)
ランサムウェアと最新セキュリティ情報の他の記事
- 人材不足ウェブ業界セキュリティ支援
- サイバーセキュリティ情報共有を推進
- マイクロソフトなど、ID主体セキュリティ
- ランサムウェア対策に特化したソフト
- TwoFive、なりすましメール検知
おすすめ記事
-
競争と協業が同居するサプライチェーンリスクの適切な分配が全体の成長につながる
予期せぬ事態に備えた、サプライチェーン全体のリスクマネジメントが不可欠となっている。深刻な被害を与えるのは、地震や水害のような自然災害に限ったことではない。パンデミックやサイバー攻撃、そして国際政治の緊張もまた、物流の停滞や原材料不足を引き起こし、サプライチェーンに大きく影響する。名古屋市立大学教授の下野由貴氏によれば、協業によるサプライチェーン全体でのリスク分散が、各企業の成長につながるという。サプライチェーンにおけるリスクマネジメントはどうあるべきかを下野氏に聞いた。
2025/12/04
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/12/02
-
-
-
-
-
-
目指すゴールは防災デフォルトの社会
人口減少や少子高齢化で自治体の防災力が減衰、これを補うノウハウや技術に注目が集まっています。が、ソリューションこそ豊富になるも、実装は遅々として進みません。この課題に向き合うべく、NTT 東日本は今年4月、新たに「防災研究所」を設置しました。目指すゴールは防災を標準化した社会です。
2025/11/21
-
サプライチェーン強化による代替戦略への挑戦
包装機材や関連システム機器、プラントなどの製造・販売を手掛けるPACRAFT 株式会社(本社:東京、主要工場:山口県岩国市)は、代替生産などの手法により、災害などの有事の際にも主要事業を継続できる体制を構築している。同社が開発・製造するほとんどの製品はオーダーメイド。同一製品を大量生産する工場とは違い、職人が部品を一から組み立てるという同社事業の特徴を生かし、工場が被災した際には、協力会社に生産を一部移すほか、必要な従業員を代替生産拠点に移して、製造を続けられる体制を構築している。
2025/11/20
-
企業存続のための経済安全保障
世界情勢の変動や地政学リスクの上昇を受け、企業の経済安全保障への関心が急速に高まっている。グローバルな環境での競争優位性を確保するため、重要技術やサプライチェーンの管理が企業存続の鍵となる。各社でリスクマネジメント強化や体制整備が進むが、取り組みは緒に就いたばかり。日本企業はどのように経済安全保障にアプローチすればいいのか。日本企業で初めて、三菱電機に設置された専門部署である経済安全保障統括室の室長を経験し、現在は、電通総研経済安全保障研究センターで副センター長を務める伊藤隆氏に聞いた。
2025/11/17






※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方