2020/05/12
日本企業が失敗する新チャイナ・リスク
■労務事情が問題解決を難しくしている
今回の事例のように、現地で25年も操業している企業の場合には、必ずと言ってよいほどこのような現象(前ページ囲み参照)が多く起きています。しかもこの企業は、中国にグループとして展開されており、同様の事例がグループ企業内でも発覚していることが分かっています。
当社は、法務や労務の専門コンサルタント企業と連携することで、企業の総責任者である総経理に具体的な「正しい対処法」を指南させていただくのですが、嫌疑をかけられている本人たちがそれぞれ企業経営や生産管理の重要なポジションにいるらしく、安易に解雇してしまうと操業に影響するのではないかと及び腰になってしまうことが多々あります。
新任の総経理にとっては、赴任早々このような頭の痛い問題に遭遇し前任の総経理に愚痴の一つでも言いたくなることでしょう。日々頭を悩ませ、相談相手もいないという四面楚歌に陥る方も少なくありません。
しかしこれらの根深い問題を放置しておくことは、今後事業を担っていく80後、90後世代(80年代、90年代以降生まれの世代)の純粋なスタッフたちへ悪影響を及ぼすだけでなく、企業のコンプライアンスの観点からも避けて通れない事象であり、確実に問題の根を取り除くことが求められます。
■諸悪の根源を取り除くことが事業継続に悪影響?
この事例で分かるように、専門家が調査をすることで「誰が、もしくは何が諸悪の根源であるのか」は容易に判断がつくことが多く、どのように解決すべきかを導き出すことも決して難しいことではありません。
しかしながら、長らく同様の問題を引きずってしまっているのには、いくつかの理由があります。主な理由として以下の3点をあげることができるでしょう。
1.総経理、工場長などの現地最終決定者の赴任期間が短すぎるため、前後の事情が把握できず、最終決断に及び腰になる。現地責任者の権限が小さすぎる
2.上記責任者より、当該のローカルスタッフの方が現地法人での勤務期間が長いため、より深く事情や取引企業などとの関係に通じている
3.中国での労務問題、雇用形態、法律などへの適用方法に理解が乏しいため、外部の専門家の意見が必要となる。最終的な決断を下すのには不十分なことが多い
残念なことではありますが、上記の3点は大なり小なり多くの日系企業が抱える課題です。
では、どうやったら問題解決はできるのでしょうか?
次ページに一つの成功事例を紹介します。皆様もぜひ、自分だったらどう解決の糸口を見出すか考えてみてください。
日本企業が失敗する新チャイナ・リスクの他の記事
おすすめ記事
-
-
-
リスク対策.PROライト会員用ダウンロードページ
リスク対策.PROライト会員はこちらのページから最新号をダウンロードできます。
2026/08/05
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2026/08/04
-
-
-
-
令和8年熊本地震 猛暑の被災地で熱中症を避ける
最大震度7を記録した令和8年熊本地震。熊本県内では400超の避難所が開設され、約9千人が避難している(29日時点)。真夏の避難生活は、熱中症の危険性を確実に高める。しかもこれからは、猛暑・酷暑下での復旧活動が本格化し、多くの人々が被災地で活動する。現地で熱中症をどう防いだらいいか。熱中症と災害医療に詳しい、さいたま赤十字病院高度救命救急センターの席 望医師に対策を聞いた。
2026/07/30
-
令和8年熊本地震 広がるデマ、どう見分ける?SNSとの向き合い方
28日に発生した最大震度7を記録した熊本地震では、早くも豪華寝台列車「ななつ星」が脱線したなどのデマ情報が広く拡散された。災害のたびに、広くSNSで拡散される情報にどう向き合えばいいか。デジタル空間の情報分析を専門とする Japan Nexus Intelligence の竜口七彩氏に聞いた。
2026/07/29
-






※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方