7~9月という酷暑期間の開催に向け対策が話し合われた

東京都は29日、「東京2020大会に向けた東京都『暑さ対策』推進会議」を開催。川澄俊文副知事を始め、都庁各局のほか内閣官房、大会組織員会の関係者も出席。2020年7~9月に開催される東京オリンピック・パラリンピックの熱中症対策について報告が行われた。都では会場整備のほか都道の遮熱・保水性舗装などハード面や医療機関の外国人受け入れ体制整備支援などソフト面での対策を進める。

都が整備する大会会場はバレーボール会場となる江東区の「有明アリーナ」など8施設(新設7、改修1)。外壁の断熱や空調整備などの対策を進めている。マラソンコースや会場周辺の都道では遮熱舗装と保水性舗装合わせて約136kmを整備する。すでに2016年度末現在で約106kmが済んでいる。また区市道についても対象区市に都が補助を行っている。マラソンコースなどの街路樹も樹形を大きくし、日陰を増やす。

医療機関に対しては外国人患者支援研修のほか、外国人患者受け入れ体制充実に関する第三者認証であるJMIPを受審する医療機関に100万円の補助を行っている。また5月からは救急通訳サービスの英語と中国語受付時間を夜間・深夜帯にも拡大。医療機関案内サービスサイト「ひまわり」の多言語情報充実化も行う。

内閣官房は観光庁の外国人向けアプリ「Safety tips」(セーフティ・チップス)に熱中症情報を追加したことなどを報告。大会組織委員会からは会場・施設で日陰やミストのエリアを作ったり、入場待機時間を減らしたりなど会場での工夫、飲料水の提供や救護体制整備といった運営面、さらには外国人向けにホテルや空港での注意喚起や熱中症注意・救急電話番号を記載したうちわや帽子の配布を行うといった対策が報告された。

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(了)

リスク対策.com:斯波 祐介