2017/07/20
防災・危機管理ニュース

東京都は19日、今年度第1回「東京DMAT運営協議会」を開催。活動状況など主に報告が行われた。2016年度の東京DMAT(災害派遣医療チーム)出動要請件数は前年度比9件増の54件だったが、現場到着は逆に5件減の25件にとどまった。
2016年度は54件全てで出動を受諾したが、出動要請件数がそもそも減少したほか、連携隊が病院に到着前に出場要件を満たさなくなり、要請が打ち切られる「打ち切り」が2件増の23件あったことが現場到着の減少につながった。病院出発後に出場要件を満たさなくなり、引き返す「途中引揚」は6件減の6件にとどまった。現場到着率は前年度比1.4ポイント減の46.2%。
現場に到着した25件のうち、現場で活動したのは7件減の23件。そのうちDMAT活動として医療処置を行ったのは横ばいの16件、経過観察のみが4件減の6件、死亡診断のみは3件減の1件。前年度なかった、現場に到着したものの、搬送済みなどで活動しなかった「現場待機」は2件あった。
今年度の4~6月の出動要請件数は前年同期比19件増の32件と約2.5倍増。現場到着は12件増の17件で、そのうち救命実施が15件、経過観察が2件となっている。
装備面では無線の輻輳(ふくそう)対策として、携帯電話の電波を利用する通信機器といった代替の通信手段の検討を行う見込み。今年度のNBC(核・生物・化学)災害対応研修は、東京DMAT向けが10月10~11日の2日間、60人を対象に開催。除染・トリアージなどのカリキュラムをこなす。災害拠点病院向けは、11~12月のうちの1日で開催する。
(了)
リスク対策.com:斯波 祐介
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