エネルギー

●コンビナート・物流インフラ被災時には、事業者の努力だけでは石油の安定供給を確保できない。ロジスティクス等の諸課題につき、関係省庁間の協力・連携を事前に十分準備する必要がある。
●タンクローリーの通行規制等、平時における合理的な規制が災害時の緊急輸送の支障となる場合がある。
●港湾施設の多発同時被災による能力不足、船舶の被災による海上輸送機能の停止が懸念される。
●被災港湾の機能能力のバックアップ体制の構築が課題である。
●コンビナート港湾の被災により航路航行への支障、船舶の被災による海上輸送機能の停止が懸念される。
●コンビナート防災保安に係る関係機関の・連携、対策実施が必要である。
●雨水・下水道再生水等の水資源の有効利用等、大規模災害発生時に水資源関連施設が機能しなくなった場合のバックアップ方策が課題。
●上水・工水、農水の事業者間において用途横断的な連携を図ることが必要。

金融

●金融機関毎に地域、規模等の特性が異なることから、全ての機関が同水準の対策を実施することは困難(全ての金融機関で施策が進んでいるわけではない)。
●関係省庁や自治体、日本銀行、金融機関等、他の重要分野等との連携強化が必要。
●資金需要(現金)に応じた交通インフラの早期復旧・通行の円滑化、代替輸送手段の確保が必要。
●各金融機関の対策が万全でも、通信ケーブルが損傷の恐れがあるため、重要ケーブルの災害対応力を強化する必要がある。
●自家発電機用燃料の備蓄は1~3日程度としている金融機関が多いため、電力復旧が長期化した場合、対応できなくなる恐れがある。
●多数の負傷者の発生等により、事前の準備を活かすことができなくなる恐れがある。

情報通信

●被災想定を大きく上回る大規模災害が発生したときや電力その他の主要インフラの機能が喪失した場合の対応が課題である。
●郵便局数が多く、日本郵便(株)において、数年計画で耐震化を実施する必要がある。
●放送分野においては、特にラジオネットワークについて、送信所の立地条件による浸水リスク、経営基盤の脆弱性、地域密着型情報ネットワークの構築、都市部での難聴や地理的・地形的な難聴の発生等の課題がある。
●通信衛星を活用し、ユーザと連携した防災分野を中心とした利用技術の実証が必要となる。

産業構造

●施設更新/耐震化が遅れている事業者への対応が課題。
●今後、南海トラフ巨大地震、首都直下型地震等に応じた耐震基準の見直しが必要と考えられるため、関係府省庁と連携した取り組みが必要。
●耐震基準の見直し内容によっては、対応コストが膨大になる可能性がある。
●企業連携型BCPの施策に着手した段階。継続的な取り組み促進、改善が必要。
●港湾施設の多発同時被災による能力不足、船舶の被災による海上輸送機能の停止が懸念されるなど、被災想定を大きく上回る大規模災害が発生したときや電力その他の主要インフラの機能が喪失した場合の対応が課題である。
●ソフトウェアの脆弱性は、完全に排除することが困難であり、継続的に対策を進めていくことが必要。
●建設産業の疲弊により、災害対応空白地帯の発生等、災害応急活動を適切に実施できる建設企業が確保できない恐れがある。
●港湾施設の多発同時被災による能力不足、船舶の被災による海上輸送機能の停止が懸念される。
●被災港湾の機能・能力のバックアップ体制の構築が課題である。
●コンビナート港湾の被災により航路航行への支障、船舶の被災による海上輸送機能の停止が懸念される。

交通・物流

●道路、港湾、駅及び鉄道施設の耐震化など対策が未了の施策がある。
●隣接する建築物の倒壊により、交通施設が被災する恐れがある。
●広域にわたる大規模津波災害の被害をできるだけ少なくするため、防波堤の整備や粘り強い化など港湾施設における今後の対策を推進することが課題。
●迅速な救助・救急、医療活動のためには道路の防災・震災対策、無電柱化など道路ネットワークを被災直後でも確保することが課題。
●被災直後の港湾機能の確保及び代替港湾を活用した輸送ルートの構築が課題。
●災害時に交通行政の機能を維持するための連携や包括的な取り組みが課題。
●被害想定を大きく上回る大規模災害が発生したときに生じる恐れのある電柱等の倒壊による通信機能の低下が課題。●地震、津波等による交通インフラの復旧の長期化により、道路、港湾、空港、流通業務施設の健全なサプライチェーンが維持できない恐れがある。
●被害想定を大きく上回る大規模災害が発生したときに生じる恐れのあるライフラインの損傷等やエネルギー輸送の拠点である港湾の地震等に対する災害対応能力が低いことによる、交通・物流への影響が課題。
●大規模火災に対して徒歩による円滑な避難ができず甚大な被害となる恐れがある。
●地震、津波、液状化など海上・臨海部の広域複合災害に対する事前の備えが課題。
●道路啓開等の復旧・復興を担う人材不足に対応する施策がなく、復興等が大幅に遅れる恐れがある。
●官民連携・民間資金の活用(PFI/PPP方式)等についても検討する必要がある。
●構造材料の信頼性向上に関する研究など基礎研究を推進する必要がある。
●支援物資物流に携わる関係者の意識醸成及び訓練の実施等ソフト対策が必要である。

農林水産

●農山漁村の地域活動の停滞に伴う森林・農地等の多面的機能の低下が懸念。
●ため池・基幹的水利施設等の耐震化、治山施設の整備、海岸防災林、海岸保全施設、排水施設等、ハードの整備等の対策に時間を要する。
●農山漁村のハザードマップ(ため池決壊想定、山地災害危険地区情報)等の整備、行政住民が連携した平時からの訓練等、・ソフト対策が課題。地域コミュニティの強化も重要。
●集落排水施設、基幹的農業水利施設等において、機能診断や大規模災害に対応した耐震設計照査が未了の施設があり、・対策に時間を要する。津波被害を受けやすい沿岸域にある集落排水施設も多い。
●広範囲に被災が及んだ場合、原材料が入手できない等の理由により、十分な応急用食料等を調達できない恐れがあり、民間備蓄との連携等による国全体の備蓄の推進等が課題。また、農林水産物、食品等のサプライチェーン機能維持(事業者間連携、生産基盤の保全等)に向けた備えの強化が課題。
●再生可能エネルギーは未導入地域が多く、災害発生時の供給手段が課題。
●これらのことから、広域な大規模災害が発生した際に、人命、経済活動等に大きな影響を及ぼすとともに、農林水産物を安定的に供給できない恐れがあり、対応が必要。
●また、農地・森林等の国土保全機能を適切に発揮させるため、地域に根差した植生の活用等、自然との共生の視点も含めて、総合的に対応する必要がある。

国土保全

●想定している計画規模に対する対策に時間を要するため、計画規模を超える降雨のみならず、それ以下の降雨においても堤防の決壊等により大規模な浸水被害が発生する恐れがある。
●L2規模の津波に対しては、施策の効果発現に時間を要するため、整備途上では人的被害が発生する恐れがあるとともに現状の目標を達成しても物的被害は解消されない。L1規模の津波でも、整備途上では人的被害が発生する。
●想定している規模以上の土砂災害(深層崩壊等)、火山噴火等に対して、対応が困難となり人的被害が発生する恐れがある。
●河川・海岸堤防等の整備にあたっては、地域特性に応じて、自然との共生及び環境との調和に配慮する必要がある。
●上水・工水、農水の事業者間において用途横断的な連携を図ることが必要である。
●広域高分解能観測技術衛星を中核とした・衛星等による災害監視網の構築が必要である。

環境

●災害の規模等によっては、地方公共団体等のリソースの不足や対応能力の限界が生じ、有害物質の漏洩等が発生し、人々の健康被害が生じる恐れがあり、これに対する対応が必要。
●大規模な震災を想定した場合、個別自治体の震災廃棄物処理計画のみでは対応が不足する。
●大規模な震災により大量の災害廃棄物が発生した場合に対応できる廃棄物処理施設や仮置き場として使用できる場所が十分には確保できていない。
●自然生態系の有する防災減災機能の評価・や検証等を行い、その機能の利用によるコスト縮減効果等も十分考慮しつつ、自然生態系を活かした命を守る対策を推進することが課題。
●農地の保全・利用、多様で健全な森林整備、海岸防災林の整備等、命を守り、環境保全に資する対策の維持・強化が課題。
●浄化槽について、耐震性の評価が不十分であり、・設置管理状況の把握が不十分。
●このため大規模災害が発生した際に、住民生活等に大きな影響が出る恐れがあり、対応が必要。

土地利用(国土利用)

●地籍調査が未整備のために、被災前における緊急輸送路の整備等の防災関連事業の遅れや、被災後における復旧・復興の遅れが生じる恐れがある。
●農林水産業従事者の高齢化等の中で、農地・森林等の保全・利用対策の維持・強化が課題。
●想定を大きく上回る大規模災害が発生したときにおける情報通信を維持する土地利用面からの課題の検討。
●通常の施策では解決できない課題について土地利用(国土利用)の観点から中長期的な検討(対応)が必要。
●事前避難とも言える、分散化を含めた狭域的・広域的両面の土地利用の見直しの検討が必要。