総務省の調査によると、2011年度の国内における衛星移動通信サービスの無線局は9万7128局で、前年度比16%も伸びた。衛星移動通信とは、自動車や船舶、航空機等の移動体に設置した無線局や衛星携帯電話端末から、通信衛星を経由して通信を行うシステム。中でも、東日本大震災以降、一般の携帯電話と同じように手軽に持ち運べる、いわゆる衛星携帯電話を導入する企業や自治体が増えている。 

一方、大手携帯電話事業者が衛星携帯市場へ相次いで参入し、価格競争も激化している。現在、衛星携帯電話は、英国のインマルサット社、米国のイリジウムコミュニケーションズ、アラブ首長国連邦のスラーヤが運用する人工衛星を利用したものが主流。国内では、NTTドコモ、KDDI、日本デジコム、ソフトバンクらの通信事業者がこれらの商品の販売を強化している。価格は、従来型の衛星携帯電話は端末料金が30万円前後だったが、今では5万円程度の製品も。通話料金も月額基本料4900円、分間の通話1料160円という商品も出てきており、導入しやすくなった。