2013/09/25
誌面情報 vol39
大丸有地区のBCDプロジェクト
大手町、丸の内、有楽町の3地区を総称した大丸有地区では、首都直下地震などを想定した災害に強い街づくりが進められている。個別企業のBCP(事業継続計画)複数のビルや屋外空間を一体として地区全体の機能継続を図るDCPと、(District Continuity Plan)の二つを兼ねた事業継続機能基盤地区=BCD(Business Continuity District)が基本コンセプト。個々の企業の事業継続と災害時における都市機能の維持に加えて、帰宅困難者の支援も行おうという意欲的なもの。企業の自助と共助によって公助の役割も補完しようとしている。
これまでのまちづくりの経過
大丸有地区には東証一部上場企業約80社が集積。売上高は133兆円で東証一部全体の約3割を占める(2011年度末)。首都東京の中核を担う日本で
最も事業継続の途絶を避けなければいけない地域とも言える。しかしながら、東日本大震災発生の直後には、外資系企業が、西日本への避難や一時帰国、あるいは日本からの撤退論がまことしやかになるなどの風評被害も発生し、防災対応力の強化が大きな課題となった。
まちづくりの推進母体は、約80の地権者で構成する一般社団法人大手町・丸の内・有楽町地区まちづくり協議会(理事長:三菱地所社長)で、1989年に設立された。国際競争力の維持と、魅力的で競争力の高い都心づくりを地権者が連携して取り組もうとつくられた。
同協議会は、都心にふさわしいまちづくりを目指した勉強や議論を行うとともに、目的別の検討会を組織して、開発手法や都市基盤の整備、災害対応の検討や広報活動などを行っている。このうち、災害対応は、街づくり検討会の下部組織である安全・安心まちづくり研究会が担当している。
おすすめ記事
-
-
-
3線モデルで浸透するリスクマネジメントコンプライアンス・ハンドブックで従業員意識も高まる【徹底解説】パーソルグループのERM
「はたらいて、笑おう。」をグループビジョンとして掲げ、総合人材サービス事業を展開するパーソルグループでは、2020年のグループ経営体制の刷新を契機にリスクマネジメント活動を強化している。ISO31000やCOSO-ERMを参考にしながら、独自にリスクマネジメントの体制を整備。現場の業務執行部門(第1線)、ITや人事など管理部門(第2線)、内部監査部門(第3線)でリスクマネジメントを推進する3線モデルを確立した。実際にリスクマネジメント活動で使っているテンプレートとともに、同社の活動を紹介する。
2024/07/23
-
インシデントの第一報を迅速共有システム化で迷い払拭
変圧器やリアクタなどの電子部品や電子化学材料を製造・販売するタムラ製作所は、インシデントの報告システム「アラームエスカレーション」を整備し、素早い情報の伝達、収集、共有に努めている。2006年、当時社長だった田村直樹氏がリードして動き出した取り組み。CSRの一環でスタートした。
2024/07/23
-
「お困りごと」の傾聴からはじまるサプライヤーBCM支援
ブレーキシステムの開発、製造を手掛けるアドヴィックスは、サプライヤーを訪ね、丁寧に話しを聞くことからはじまる「BCM寄り添い活動」を2022年度から展開している。支援するのは小規模で経営体力が限られるサプライヤー。「本当に意味のある取り組みは何か」を考えながら進めている。
2024/07/22
-
-
危機管理担当者が知っておくべきハラスメントの動向業務上の指導とパワハラの違いを知る
5月17日に厚生労働省から発表された「職場のハラスメントに関する実態調査報告書」によると、従業員がパワハラやセクハラを受けていると認識した後の勤務先の対応として、パワハラでは約53%、セクハラでは約43%が「特に何もしなかった」と回答。相談された企業の対応に疑問を投げかける結果となった。企業の危機管理担当者も知っておくべきハラスメントのポイントについて、旬報法律事務所の新村響子弁護士に聞いた。
2024/07/18
-
基本解説 Q&A 線状降水帯とは何か?集中豪雨の3分の2を占める日本特有の現象
6月21日、気象庁が今年初の線状降水帯の発生を発表した。短時間で大量の激しい雨を降らせる線状降水帯は、土砂災害発生を経て、被害を甚大化させる。気象庁では今シーズンから、半日前の発生予測のエリアを細分化し、対応を促す。線状降水帯研究の第一人者である気象庁気象研究所の加藤輝之氏に、研究の最前線を聞いた。
2024/07/17
-
-
災害リスクへの対策が後回しになっている円滑なコミュニケーション対策を
目を向けるべきOTリスクは情報セキュリティーのほかにもさまざま。故障や不具合といった往年のリスクへの対策も万全ではない。特に、災害時の素早い復旧に向けた備えなどは後回しになっているという。ガートナージャパン・リサーチ&アドバイザリ部門の山本琢磨氏に、OTの課題を聞いた。
2024/07/16
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方