2017/09/01
防災・危機管理ニュース

消防庁は石油関連施設など危険物施設の安全と長寿命化の両立を目指す。8月31日、「危険物施設の長期使用に係る調査検討会」の第1回会合を開催。危険物施設の実態を調査したうえで、施設の診断や長寿命化のための補修など活用可能な技術を探し出す方針。
危険物施設の火災や流出事故件数は1994年から増加傾向にある。1994年と2016年を比較すると、危険物施設数は約25%減の41万6234施設だったが、事故発生件数は約2倍の571件となっている。特に近年は腐食など物的要因による危険物の流出事故が増えていることもあり、施設の安全性を高めたうえで長く使うことを目指す。
設備や機器の長期使用の実態や事故の内容のほか、モニタリング・診断や補修・補強の技術に関する調査を国内外対象に行う。まず化学工業、石油製品・石炭製品製造業、鉄鋼業、電気業、運輸業、ガソリンスタンドを対象に設備・危機の管理状況や事故の実態などについてアンケート調査を行う。他にもモニタリング・診断や補修・補強技術について国内事業者にヒアリングするほか、海外事例も調査する。
2018年3月をめどに各調査の結果報告を行い、活用可能な技術を抽出。2018年度以降に実証・検証を行うため、その進め方も検討する。
(了)
リスク対策.com:斯波 祐介
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
もうAI脅威論を唱えている段階ではない
インターネット上の大量のデータを組み合わせて新しいデータを生成するAIが脚光を浴びています。一般企業においても経営改革の切り札としてAI技術への関心が急拡大。一方で未知なる脅威が指摘され、リスクや倫理の観点から使用を規制する動きも。AIの未来は明るいのか。東京大学次世代知能科学研究センターの松原仁教授に聞きました。
2023/05/28
-
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!【2023年5月23日配信アーカイブ】
【5月23日配信で取り上げた話題】今週の注目ニュースざっとタイトル振り返り/特集:化学物質災害・事故対応に役立つ情報基盤サイト
2023/05/23
-
重要リスクの理解深めるファシリテーション
重電機メーカーの明電舎は2016 年度から、全社的リスクマネジメント活動を開始。3ラインモデルと呼ばれる機能分担手法とCSAと呼ばれるリスク分析・評価手法を用いて体制を整備し、一般社員や管理職のファシリテーションを充実して重要リスクの把握、共有に務めながら活動への理解を深めています。同社の取り組みを紹介します。
2023/05/18
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!【2023年5月16日配信アーカイブ】
【5月16日配信で取り上げた話題】今週の注目ニュースざっとタイトル振り返り/特集:AIを使ったBCP教育・訓練
2023/05/16
-
ブランドを守る! 日本コカ・コーラのERM
「コカ・コーラ」を筆頭に、多くの製品ブランドで日本の飲料業界をリードする日本コカ・コーラ株式会社。同社では、アトランタにあるグローバル本社や国内に5社あるボトラー社とともにコカ・コーラシステムを構築し、全社的リスクマネジメントに取り組んでいます。その体制と仕組みを紹介します。
2023/05/14
-
ヒヤリ・ハット共有で成長を支えるリスクマネジメントオイシックス・ラ・大地
新鮮で安全な有機野菜や特別栽培野菜などの食品の宅配事業を展開するオイシックス・ラ・大地は、毎月開催しているリスク管理委員会で日々のヒヤリハットを共有し、再発防止に努めるとともに、インシデントなどへの早期対応ができる体制を目指し活動を続けています。同社執行役員の山下寛人さんにご発表いただきました。2023年5月9日開催。
2023/05/11
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方