2020/09/02
危機管理の要諦
1週間前、何をする
あと1週間で台風が上陸する、このような場合、何をすればいいのか。しっかりした企業では、時系列で何をすべきかをタイムラインとして計画を決めているだろう。しかし、その内容はあいまいなものが多い。例えば、1週間前に「気象情報の確認」と書かれていても、何の情報なのか、どこから入手するのかまで検討されていない。1週間前というと、台風の発生が確認した直後ぐらいだろうか。当然、注意報や警報は出されていない。だとしたら、台風の進路や大まかな規模程度しか分からないだろう。その時点で何をするのか。また、上陸といっても、台風は上陸より前から大気が不安定な状態となり強い風や雨をもたらす。そのバッファーを含めて対応が検討されていないケースも見受けられる。
気象庁では、最新の台風情報を以下のページで日々更新している。天気予報だけでなく、こうした情報も併せて確認することで、注意すべき期間まで、より明確になる。
http://www.jma.go.jp/jp/kishojoho/
もう1つ、タイムラインの目的は時系列にやるべきことを整理するだけでなく、関係機関や関係部門との連携について整理しておくためのものでもある。国交省が出しているタイムラインを企業版に書き換えるなら、タテ軸の時間に対し、ヨコ軸には、気象庁や、河川を管理する国交省、避難情報を出す地方自治体、さらに組織内の連携として対策本部や支店、関連部署を加え、どのような連携をとればいいか、指示の流れを矢印などで分かりやすく示すことで、全体の流れが把握しやすくなる。
例えば、台風接近1週間前には本社総務部から全部署や全支店に注意の呼びかけを行う。3日前には全社対応にするか、拠点だけの対応にするかを決定し、全社対応なら、総務から全部署や全支店に対して台風接近時の出社や帰宅に関する注意喚起を促す。さらに、避難準備をしたり、必要に応じて緊急要員の宿泊施設を確保する。気象庁からの注意報が発令されたら浸水危険地域にある車両を高台に移動させたり、IT類を浸水被害の無い場所に移動、在庫などを棚上げし、警報が発令されたら速やかに避難をする、なども決めておく。
危機管理の要諦の他の記事
- 山間部の集落を襲った津波~教訓は生かされたか~
- 台風接近までに企業がすべきこと
- 台風19号における予測・予防・対応の課題
- 台風19号被害からの復旧に向けて
- 連休前に企業がすべき対策
おすすめ記事
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2026/05/26
-
-
-
-
顧客の安全と安心をAIと人のアシスタンスサービスで追求
JTBグローバルアシスタンス(東京都千代田区)は、渡航先でのけがや荷物の紛失、言語の壁など、海外旅行に関わるトラブルを包括的にサポートしてきた。昨今では地政学リスクの高まりに応じ、自社の危機管理ソリューションを生かした出張者や駐在員の安全確保にも注力している。創業35年を機に、AIと人間、それぞれの長所を組み合わせたハイブリッド型サービスの展開を目指す。混沌(こんとん)とした時代の中、海外旅行に伴うリスクを低下させ、旅行者の安全をどのように確保するのか。鈴木章敬代表取締役社長に話を聞いた。
2026/05/19
-
-
-
-
追跡調査中のハンタウイルス感染症原因ウイルスにはどんな特徴が?
世界保健機関(WHO)が5月4日に大西洋を航行中のクルーズ船で乗客3人が死亡し、ハンタウイルスの感染が疑われると発表した。その後、日本人1人を含む乗員と乗客はスペイン領テネリフェ島で下船。各国で追跡調査が行われている。ハンタウイルスは、いったいどんなウイルスなのか。ハンタウイルスに詳しい北海道大学大学院の苅和宏明特任教授に聞いた。
2026/05/14
-








※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方