1週間前、何をする

あと1週間で台風が上陸する、このような場合、何をすればいいのか。しっかりした企業では、時系列で何をすべきかをタイムラインとして計画を決めているだろう。しかし、その内容はあいまいなものが多い。例えば、1週間前に「気象情報の確認」と書かれていても、何の情報なのか、どこから入手するのかまで検討されていない。1週間前というと、台風の発生が確認した直後ぐらいだろうか。当然、注意報や警報は出されていない。だとしたら、台風の進路や大まかな規模程度しか分からないだろう。その時点で何をするのか。また、上陸といっても、台風は上陸より前から大気が不安定な状態となり強い風や雨をもたらす。そのバッファーを含めて対応が検討されていないケースも見受けられる。

気象庁では、最新の台風情報を以下のページで日々更新している。天気予報だけでなく、こうした情報も併せて確認することで、注意すべき期間まで、より明確になる。
http://www.jma.go.jp/jp/kishojoho/

もう1つ、タイムラインの目的は時系列にやるべきことを整理するだけでなく、関係機関や関係部門との連携について整理しておくためのものでもある。国交省が出しているタイムラインを企業版に書き換えるなら、タテ軸の時間に対し、ヨコ軸には、気象庁や、河川を管理する国交省、避難情報を出す地方自治体、さらに組織内の連携として対策本部や支店、関連部署を加え、どのような連携をとればいいか、指示の流れを矢印などで分かりやすく示すことで、全体の流れが把握しやすくなる。

写真を拡大 出典:国交省

例えば、台風接近1週間前には本社総務部から全部署や全支店に注意の呼びかけを行う。3日前には全社対応にするか、拠点だけの対応にするかを決定し、全社対応なら、総務から全部署や全支店に対して台風接近時の出社や帰宅に関する注意喚起を促す。さらに、避難準備をしたり、必要に応じて緊急要員の宿泊施設を確保する。気象庁からの注意報が発令されたら浸水危険地域にある車両を高台に移動させたり、IT類を浸水被害の無い場所に移動、在庫などを棚上げし、警報が発令されたら速やかに避難をする、なども決めておく。