2017/10/12
防災・危機管理ニュース

東京都は11日、「平成29年3月末に応急仮設住宅の供与が終了となった福島県からの避難者に対するアンケート調査結果」を発表した。都による東日本大震災の自主避難者を対象にしたアンケート調査は初めて。3月末までに応急仮設住宅の供与が終了となった福島県からの自主避難者629世帯のうち、調査票の郵送が可能な世帯570世帯を調査対象とし、回答数は172件。継続して都内の同一区市町村に住む自主避難者は6割を超えていることがわかった。また都内在住者は都内に住み続けたいという回答が約6割弱となっている。
172世帯の回答を見ると今の居住都道府県は「東京都」が66.9%、「福島県」が26.2%、「その他府県」が6.4%。引き続き都内に住む115世帯に旧住所との関係を聞くと、「同一区市町村」が64.3%、「異なる区市町村」は21.7%。同じく115世帯の住居形態は「賃貸(公営)」が60.0%、「賃貸(民間)」が32.2%。以前と同一の区市町村の公営賃貸に住んでいる回答が多いのは、仮設住宅として使われていた江東区の国家公務員宿舎である東雲住宅に4月以降は賃料を支払って引き続き居住している世帯が多いためとみられる。172世帯の現在居住中の区市町村は江東区が12.2%で最多となっている。
全172世帯の世帯月収は「10万~20万円未満」が30.2%。次いで「20万~30万円未満」が25.6%だが、20万円未満が計52.3%で過半数を占めている。賃貸住宅居住125世帯の月額賃料は「5万円未満」が52.8%、「5万~10万円未満」が36.0%。
今後の生活の見通しについては都内在住115世帯では「都内に住み続けたい」56.5%。その他府県在住の11世帯でも「都内に住み続けたい」は36.4%だが、福島在住45世帯では「福島県に戻っており住み続けたい」が82.2%となっている。
避難の長期化による心身の影響については、都内在住は「とても感じる」が37.4%。その他の府県在住では54.5%にも上るが、福島在住だと28.9%にとどまる。被災者・避難者としての意識の変化については「あまり意識しなくなった」が都内在住で36.5%、その他の府県在住は27.3%にとどまるが、福島在住では62.2%に達している。
■ニュースリリースはこちら
http://www.metro.tokyo.jp/tosei/hodohappyo/press/2017/10/11/13.html
(了)
リスク対策.com:斯波 祐介
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