堤防・護岸のマニュアルに水門・陸閘に関する項目も盛り込む改訂を行う

国土交通省は13日、「海岸保全施設における水門・陸閘(りっこう)等の維持管理マニュアル策定検討委員会」の第3回会合を開催した。津波や高潮対策で重要な水門や陸閘といった施設の管理マニュアルについて新規策定の方針を、主に堤防や護岸についてまとめている既存の「海岸保全施設維持管理マニュアル」改訂で対応する方針に改める。大規模施設と小規模施設の分類を行うほか、災害発生後の設備の臨時点検も盛り込む。今年度中に最終マニュアル案をとりまとめる方針。

国交省では水門・陸閘の維持管理マニュアルを新規に作る予定だったが、新規作成によって堤防・護岸と水門・陸閘で点検・評価項目が重複したり、水門・陸閘の土木構造部分は現行マニュアルとほぼ同じ内容であり、1つで済んでいた長寿命化計画が2つのマニュアルに分断されたりするといったデメリットがある。このため、現行マニュアルを改訂し、水門や陸閘に関する項目を追加する。現行マニュアルは2014年に改訂されたもの。

改訂にあたり、水門・陸閘は大規模設備と小規模設備に分類。大規模設備は扉体面積が10m2以上、開閉は動力式ゲートや大規模手動式ゲートで行い、後背地への影響が大きいものという設定。

点検については初回点検や年数回のパトロールに加え、地震、津波、高潮、高波といった災害発生後は臨時点検も行う。臨時点検では開閉装置に異常がないか、扉体・戸当たりの損傷や劣化、扉体・戸当たりのレールや水路に土砂などの堆積がないかなどを調べる。設備の評価については〇、△1、△2、△3、×の5段階とする方針。

(了)

リスク対策.com:斯波 祐介