2017/10/16
防災・危機管理ニュース
国土交通省は13日、「海岸保全施設における水門・陸閘(りっこう)等の維持管理マニュアル策定検討委員会」の第3回会合を開催した。津波や高潮対策で重要な水門や陸閘といった施設の管理マニュアルについて新規策定の方針を、主に堤防や護岸についてまとめている既存の「海岸保全施設維持管理マニュアル」改訂で対応する方針に改める。大規模施設と小規模施設の分類を行うほか、災害発生後の設備の臨時点検も盛り込む。今年度中に最終マニュアル案をとりまとめる方針。
国交省では水門・陸閘の維持管理マニュアルを新規に作る予定だったが、新規作成によって堤防・護岸と水門・陸閘で点検・評価項目が重複したり、水門・陸閘の土木構造部分は現行マニュアルとほぼ同じ内容であり、1つで済んでいた長寿命化計画が2つのマニュアルに分断されたりするといったデメリットがある。このため、現行マニュアルを改訂し、水門や陸閘に関する項目を追加する。現行マニュアルは2014年に改訂されたもの。
改訂にあたり、水門・陸閘は大規模設備と小規模設備に分類。大規模設備は扉体面積が10m2以上、開閉は動力式ゲートや大規模手動式ゲートで行い、後背地への影響が大きいものという設定。
点検については初回点検や年数回のパトロールに加え、地震、津波、高潮、高波といった災害発生後は臨時点検も行う。臨時点検では開閉装置に異常がないか、扉体・戸当たりの損傷や劣化、扉体・戸当たりのレールや水路に土砂などの堆積がないかなどを調べる。設備の評価については〇、△1、△2、△3、×の5段階とする方針。
(了)
リスク対策.com:斯波 祐介
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
Q&Aで解説 実務課題の超ヒント
「危機管理のマニュアル類が複雑すぎる」「キャリア採用のリスクマネジメント担当者が現場の声を吸い上げていない」など、本紙はこの半年間で聞いた読者の声を「Q(Question)」として集約、危機管理に詳しいコンサルタントに提示して「A(Answer)」をもらいました。危機管理の難問・疑問、その答えは――。防災・BCP編に続き、リスク管理・危機管理編をお届けします。
2024/09/16
-
-
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2024/09/10
-
相克抱え始まった人権DD 海外の動向と日本企業の対応
ビジネスにおいて、人権尊重への取り組みが不可欠になってきました。欧州では人権配慮を企業に義務付ける法律が次々に施行。米国では強制労働による物品の輸入を差し止める法律が運用され、対応次第では国際的な取引から締め出されかねません。海外の動向と企業の対応を、日本貿易振興機構(ジェトロ)調査部国際経済課の森詩織氏に聞きました。
2024/09/09
-
-
-
リスク対策.PROライト会員用ダウンロードページ
リスク対策.PROライト会員はこちらのページから最新号をダウンロードできます。
2024/09/05
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方