セキュリティ関連の国内市場

株式会社富士経済は2日、国際的なテロ事件・凶悪犯罪の多発への対応や、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて都市部を中心にセキュリティレベルの引き上げが要求されるなど、セキュリティ対策の強化が国を挙げての課題となっていることにより各分野で堅調に需要が増加しているセキュリティ関連機器/システム、サービスの国内市場を調査し、その結果を報告書「2017セキュリティ関連市場の将来展望」にまとめたと発表した。調査によると、2020年のセキュリティ関連市場は、2016年比18.1%増の5577億円と予測。市場の5割弱を占める家庭向け機器/サービスは、ホームセキュリティサービスなどが堅調な需要を獲得しているという。

調査では家庭向け機器/サービス9品目、災害・防災関連機器/サービス5品目、監視カメラシステム5品目、アクセスコントロール7品目、イベント監視/通報関連機器2品目、自動車1品目の国内市場の現状を分析し、将来を予想した。

災害・防災関連機器/サービスは、2016年から2017年は新築向けが低迷しているが、火災用報知機器など建築バブル期に建設された大型施設向けのリプレース需要が増えている。

監視カメラシステムは、2016~17年にかけて監視カメラ(IPカメラ)がけん引して堅調に伸びている。IPカメラの普及が進んだことにより、関連装置も含めて伸長率はやや鈍化しているものの、五輪需要のピークとなる2019年には900億円を突破するとみられるという。

アクセスコントロールは今後大きく伸びるとみられ、2020年の市場は2016年比25.6%増の594億円が予測されるという。入退室管理用途では、リプレース・増設需要を中心に入退室管理システムなどの需要が増えており、東京五輪前の建設市場のピークとなる2019年に向けて大きく伸びるとみられる。PCアクセス管理用途では、自治体向けで始まった二要素認証の普及によりバイオメトリクスが好調で、今後は企業での需要増加が予想されるという。

イベント監視/通報関連機器は、警備用ロボット/ドローン関連サービスに注目しているという。本格的な普及には至っていないが、今後は警備業界の人手不足の影響や、画像解析/AIなどの技術導入が本格化することで、市場の本格化を期待。また、侵入センサーは、採用の大半を占める警備会社の機械式セキュリティシステム向けの需要が安定しているという。

自動車分野は、自動車への盗難防止装置の標準搭載化により、簡易型の後付け盗難防止装置市場が低迷している。ドライブレコーダーはデジタルタコグラフと併せた採用が増加している。

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http://www.group.fuji-keizai.co.jp/press/pdf/171102_17105.pdf

(了)

 

リスク対策.com:横田 和子