2017/12/15
アウトドア防災ガイド あんどうりすの『防災・減災りす便り』
冬山用のアルパインソックスでは、5本指は売られていません
ということで、5本指ソックスは、仕組みとしては寒いものなので、極寒期も想定した山用のアルパインソックスでは5本指ソックスは販売されていません。

山だと凍傷の危険もあるので、知らないうちに冷えていたでは、すまされない危険があるからです。
さて、5本指ソックスという仕組みそのものが寒いものなので、コットンの5本指ソックスなど、コットンと5本指の寒さの相乗効果で、冬にはくと、しもやけになりやすい事も知っておいて欲しいです。
こちらの記事でも書きましたが、コットンは汗をかくと気化熱で体温を奪うのからです。
■登山では、コットンのインナーは着ません!機能性インナーの下にコットン肌着を着ている人が54%も
http://www.risktaisaku.com/articles/-/2094
そんなわけで、特に雪かきで長靴をはいた際、汗は絶対かきますから、コットンのソックスやコットンの5本指ソックスはやめてくださいね。間違いなくしもやけになる方法です。
5本指ソックスを履きたい方は、暖めるためにではなく、気持ち良いから、足指が動かしやすいからという理由で利用されるのがよいのではないかと思います。人にすすめる場合も、体温が低い方や床が冷たい方にすすめると、冷えを促進してしまいますので、要注意です。
「シルクやウールの5本指は?」「重ね履きは?」という質問も多くあります。5本指自体が熱源から離れて暖かくないものなので、重ね履きではない単体であれば、コットンのような冷え方はしないだけで、シルクやウールの5本指ではないソックスよりも寒いということになります。
寒い方から順に、概ねですが以下のような順番でしょうか。
②コットン 普通のソックス
③シルク 5本指(ウールの5本指)
④シルク 普通のソックス(ウールの5本指)
⑤ウールの5本指(後述のように微妙)
⑥ウール 普通のソックス
となります。厳密には、ウールの5本指の位置は微妙です。ウールは汗を吸うと発熱してくれるので、5本指でも発熱効果により暖かく感じる可能性があります。
しかし、汗もかけないほど体が冷えているのであれば、隣の指から離れることで5本指であるがゆえに冷えるソックスになる可能性もあり、着用者の体温によって結論が変わります。
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