第130回:DRI会員がとらえた世界規模でのリスクのトレンド
DRI International / 6th Annual DRI International Global Risk and Resilience Trends Report
合同会社 Office SRC/
代表
田代 邦幸
田代 邦幸
自動車メーカー、半導体製造装置メーカー勤務を経て、2005年より(株)インターリスク総研、(株)サイエンスクラフト、ミネルヴァベリタス(株)にて事業継続マネジメント(BCM)や災害対策などに関するコンサルティングに従事した後、独立して2020年に合同会社Office SRCを設立。引き続き同分野のコンサルティングに従事する傍ら、The Business Continuity Institute(BCI)日本支部事務局としての活動などを通して、BCMの普及啓発にも積極的に取り組んでいる。国際危機管理学会(TIEMS)日本支部理事。一般社団法人レジリエンス協会幹事(組織レジリエンス研究会座長)。環境経営学会幹事(企業の気候変動に対する「適応」研究委員会メンバー)。政府会計学会会員(社会リスク研究部会メンバー)。
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米国に本拠地を置く非営利団体である、DRI International(注1)は、2020年12月に「6th Annual DRI International Global Risk and Resilience Trends Report」という調査報告書を発表した。これはDRI International内に設置された「DRI Future Vision Committee」(以下「FVC」)(注2)が中心になってまとめられたもので、2020年におけるリスクに関するさまざまなトレンドを把握しつつ、これが今後どのように変化し得るかを考察したレポートである。
タイトルからも分かる通り本報告書は毎年発表されており、今回が6回目とのことである。筆者もこの報告書を毎年追いきれているわけではないが、2017年版については本連載で紹介させていただいた(注3)。
調査に当たっては、まずFVCのメンバーによって20の主要なリスク(key risks)が設定され、回答者はこれらが発生する可能性(probability)と、発生した場合の影響の大きさ(impact)とをそれぞれ1〜5の5段階で評価するという形がとられている。つまり、回答者に提示された20の主要なリスクのリストには、さまざまリスクに関するFVCメンバーの認識が既に反映されていると考えられる。
なお本報告書には回答者に関する情報があまり具体的に記載されていないが、多くはDRI Internationalの会員だと思われる。回答者の役職を見ると、実務担当者が約38%、マネジャーが約37%、役員(Director)が約14%となっている。部署については、事業継続の担当部署に所属している人が約36%を占める。また本報告書中の記述によると、回答者は米国だけでなく世界中に分布しているが、オーストラリア、ニュージーランド、アフリカからの回答は少なかったとのことである。