2018/01/18
阪神・淡路大震災から23年
防災科学技術研究所の兵庫県耐震工学研究センター(兵庫県三木市)内の実大三次元振動破壊実験施設(E-ディフェンス)では、実物大の構造物への加振実験を行っている。1995年の阪神・淡路大震災を教訓に約450億円をかけて建設され、2005年から稼働。世界最大の実物大構造物への加振実験施設で、2016年度までに84件の実験を実施した。構造物そのものだけでなく、内部の設備や家具の動きも把握。建築物の安全性向上へ貢献している。
阪神・淡路大震災では旧耐震基準の木造住宅を中心に、鉄筋コンクリート(RC)造のビルや高速道路なども倒壊した。それまで構造物を破壊する実験を行う施設がなかったことから、実物大の構造物に加振し、データを取ることができる同施設ができた。
E-ディフェンスの実験棟は約5200m2。構造物を揺らす加振台は最大搭載面積300m2。最大搭載重量は1200t。RC造10階建ての構造物でも実験を行っている。戸建のような小型の構造物なら2棟載せ、補強の有無による破壊度合いを比較することも可能だ。加振は水平(前後・左右)のほか上下にも動く。阪神・淡路大震災のような縦揺れや2011年の東日本大震災のような長い時間の横揺れなど、過去の地震を再現した揺らし方もできる。
2016年度までの実験84件のうち、防災科研の自体研究は32件、他の機関との共同研究は23件、住宅メーカーや建設会社などへの施設貸与は29件。主な実験では文部科学省からの委託研究で医療施設の室内被害実験を防災科研で実施。カメラで地震時の医療設備の動きなどを撮影し、研究した。その成果から設備の固定など対策をハンドブックにまとめ、全国の病院に配布されている。また東日本大震災で問題となった大規模空間の吊り天井の実験の成果は、文科省の学校管理者向け事例集に掲載されている。
貸与は1日あたり600万円強は見込まれるが、2年後にデータをオープンにできる企業には半額での利用も認めている。防災科研の地震減災実験研究部門(兵庫県耐震工学研究センター)副部門長兼副センター長の井上貴仁氏は「(設計・建築の際の地震予測に)想定外のないよう、かつコストと安全のバランスを考えた建築物の開発に利用してほしい」と語った。
■兵庫県耐震工学研究センター
http://www.bosai.go.jp/hyogo/
(了)
リスク対策.com:斯波 祐介
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