高齢者や障がい者の避難支援に新たな動きが生まれている(写真:写真AC)

高齢者や障がい者等の避難支援

高齢者、障がい者等の避難支援については、在宅の方は市区町村が、福祉施設の入居者は福祉施設が対応するのがほとんどではないだろうか。その結果、避難行動要支援者名簿では、福祉施設入居者を除外する例が多い。

在宅については、前回取り上げた「令和元年台風第19号等を踏まえた高齢者等の避難のあり方ついて(最終とりまとめ)」において、福祉専門職の参画を得て高齢者、障がい者等の一人ひとりの個別計画を作成する方向性が示された。

福祉施設にも災害支援の観点(写真:写真AC)

一方で福祉施設については、厚生労働省が来年度の介護保険事業計画(市区町村が地域の実情に応じた介護サービスを提供するため3年に1度策定する)の基本指針を改正し、「初めて」感染症や災害への対策を盛り込んだ。すなわち、介護保険法の世界に感染症や災害があることを認め、その対策を求めることになった。

基本指針(案)における災害関係の記述

基本指針(案)は99ページある膨大かつ詳細なものだが、災害に関しては市区町村に向けて以下のように簡単に記述されている。

11.災害に対する備えの検討
日頃から介護事業所等と連携し、避難訓練の実施や防災啓発活動、介護事業所等におけるリスクや、食料、飲料水、生活必需品、燃料その他の物資の備蓄・調達状況の確認を行うことが重要である。このため、介護事業所等で策定している災害に関する具体的計画を定期的に確認するとともに、災害の種類別に避難に要する時間や避難経路等の確認を促すことが必要である。


都道府県に向けては、市区町村と同じ記述があり、その後に以下の文言が足されている。

また、あらかじめ関係団体と災害時の介護職員の派遣協力協定を締結するなどの体制を整備することが重要である。