今回から何回かにわたり、リスク対策.comが行った地震シミュレーションアンケートの結果を振り返ります。それぞれの質問に対して、自社の取り組みがどの程度あてはまるか、ぜひ改めて組織内で考え、現状の対策を見直してみてください。この連載が終わる頃には、きっと自分たちの防災やBCPのレベルが向上しているはずです! 

なお、アンケートは兵庫県立大学教授の木村玲欧氏(防災心理学、危機管理学)との共同事業で実施し、木村先生にはアンケートの監修とともに、各回にコメントをいただきました。

 

【質問1】
建物全体が突然、突き上げるような強い揺れに襲われました。本棚やコピー機がガタガタと揺れ始めています。あなたの組織では、平時から什器類の転倒・移動・落下対策が徹底できていると思いますか?

下記の1~5の中から、最も該当する番号をお選びください。

①全くそう思わない
②あまりそう思わない
③半々
④そう思う
⑤強くそう思う

さて、どうでしょう?
ちなみに、リスク対策.comが行ったアンケート(有効回答数572)の平均値は3.52でした。全体の質問の中だと6番目に高い点数です。

 
兵庫県立大学 木村玲欧先生のコメント

什器の対策は、什器が壊れないようにするだけだとは思っていませんか? 什器が壊れるだけでなく、什器によって従業員がケガをしたり、什器がないことによってその後の業務に大きな支障が出ることが過去の災害でも多発しています。什器対策は、物理的な被害対策と、業務への影響の対策の両面を考える必要があります。什器そのものをしっかり守り、従業員の命を守ることが一番ですが、その什器が使えなくなったときに、災害対応にどのような支障が起きるかということを想像してみることが大切です。

さて、この質問を読んだとき、皆さんは事務所内を見渡し、あるいは思い浮かべ、本棚は固定されているか、コピー機は固定されているか、大きなロッカーは固定されているか、などを考えた上で回答していただけたことでしょう。

しかし、こんな写真の光景を思い起こした人はいるでしょうか(次ページ)?