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2021年3月4日に「全国初『エスカレーター歩かない』条例案提出 事故防止へ 埼玉」という記事がありました。
https://mainichi.jp/articles/20210304/k00/00m/040/221000c

転倒による事故を防ぐのが目的で、エスカレーターで走ったり歩いたりせず、止まって乗ることを努力義務とする条例案を埼玉県議会に提出したようです。ちなみに努力義務なので、違反に対する罰則はありません。今でも日本の慣習として、エスカレーターに乗るときは、歩く人のために片側を空けるのが定着しています。

関東では左側に立ち、右側を空けて人が通れるようにしますが、関西では右側に立ち、左側を空けて人が通れるようにします。ところが、「片側に立っている人に片側を歩いている人がぶつかって転倒させる」「歩いている人が段差につまずき転倒」などの事故が起きています。また、ぶつかったり、かすったりして罵声を浴びせられるといったトラブルの原因にもなっています。

画像を拡大 「エスカレーターは手すりにつかまりましょう」のポスター

「エスカレーターでは歩かせない」ことだけ注目されていますが、「手すり」にも注目していただきたいと思いました。左右どちらかの半身が不自由な方や三角巾で上腕骨や肘の骨折を固定している方などにとって、エスカレーターの手すりはとても大切な支えです。

例えば、左半身がまひしている方や左腕骨折で固定している方が、左手を自由に使えないので、右側に立って右手で手すりをつかみたいのですが、関東の場合は左側に立ち、右側を空けて人が通れるようにしないといけないので不安に思っています。関西の場合は問題ありませんが、皆さんはどう思いますか?

障害がなくても、けがをしていなくても、誰でも同じ体験ができます。簡単です。エスカレーターに乗っても手すりを使わないだけです。当事者の気持ちを共有することができるでしょう。

エスカレーターの業界団体のスタンスはどうでしょうか。
日本エレベーター協会 エスカレーターを安全、快適にご利用いただくために
https://www.n-elekyo.or.jp/instructions/escalator.html
※日本エレベーター協会は、エレベーター、エスカレーターをはじめとする昇降機関連の業界団体です。

画像を拡大 エスカレーターのピクトグラム

当然、エスカレーターに関するピクトグラムもありますが、皆さんはご存じですか?

普段何気なく目にしているピクトグラム。意外と間違った意味で覚えているかもしれません。エスカレーター、上りエスカレーター、下りエスカレーターは、「矢印」の向きで上り下りが分かりますが、「左側にお立ちください」と「右側にお立ちください」は、どう見えますか?