2021/04/15
防災とピクトグラム
例えば、駅のホームドアには、優先席や車いす・ベビーカー利用者のフリースペースのステッカーが貼ってあります。さらに電車の中にも、優先席の壁側には優先席のステッカーが貼ってありますし、反対側の壁側にも車いす・ベビーカー利用者のフリースペースのステッカーが貼ってあります。最近は、車いす・ベビーカー利用者のフリースペースの床にも「床デザイン」として、車いすやベビーカーのピクトグラムを見かけると思います。
このように公共交通機関などで周知していますが、ベビーカーマークはまだ十分に認知されていないため、ベビーカーが邪魔扱いされている現実があります。
実は、優先席や車いす・ベビーカー利用者のフリースペースは、全てのホームドアまたは車両にあるわけではなく、車両編成上2カ所だけしかありません。ベビーカー・乳幼児連れ優先席・妊産婦優先席・マタニティマークを見かけたら、なるべく違う車両にご乗車いただけると当事者にとってはとてもありがたいサポートです。
もし、気が付かないで車いす・ベビーカーマークのある車両に乗車した場合、車いすやベビーカー利用者が来たら、スペースを空けてくれるとありがたいですね。
これを機に、表にある「乳幼児連れ優先席」「妊産婦優先席」「マタニティマーク」を併せて覚えていただければ幸甚です。乳幼児連れ優先席と妊産婦優先席は、「JIS Z8210 案内用図記号」に登録されていますが、マタニティマークは厚生労働省が商標の登録をしています。
乳幼児連れ優先席とは
乳児や幼児を連れた人(ベビーカー含む)は、いすへの着席を優先、もしくは促す座席です。
妊産婦優先席とは
妊娠中の女性および産後1年を経過しない女性は、いすへの着席を優先、もしくは促す座席です。
マタニティマークとは
妊産婦が交通機関などを利用する際に身に着け、周囲が妊産婦への配慮を示しやすくするもの。さらに、交通機関、職場、飲食店、その他の公共機関などが、その取組や呼びかけ文を付してポスターなどとして掲示し、妊産婦にやさしい環境づくりを推進するものです。
厚生労働省 マタニティマークについて
マタニティマークについて |厚生労働省(mhlw.go.jp)
マタニティマークの誕生は、外見からは妊婦であることが分かりにくい人に対し、周囲の人が配慮しにくいという問題を解決するために作られましたが、なんだか「ヘルプマーク」と同じように思えてきました。ヘルプマークは、身に着けた方たちから厳しい現実をお聞きしています。マタニティマークも同じように、身に着けたことによって、電車内で嫌な経験をしたコメントを見たことがあります。
「妊産婦、障害者は配慮されてずるい」などは共通していましたが、唯一ヘルプマークと違うのが、ねたみやひがみの感情を抱くところです。日本人のモラルの低下を身近なところで感じてしまいました。
おすすめ記事
-
「防災といえば応用地質」。リスクを可視化し災害に強い社会に貢献
地盤調査最大手の応用地質は、創業以来のミッションに位置付けてきた自然災害の軽減に向けてビジネス領域を拡大。保有するデータと専門知見にデジタル技術を組み合わせ、災害リスクを可視化して防災・BCPのあらゆる領域・フェーズをサポートします。天野洋文社長に今後の事業戦略を聞きました。
2025/10/20
-
-
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/10/14
-
走行データの活用で社用車をより安全に効率よく
スマートドライブは、自動車のセンサーやカメラのデータを収集・分析するオープンなプラットフォームを提供。移動の効率と安全の向上に資するサービスとして導入実績を伸ばしています。目指すのは移動の「負」がなくなる社会。代表取締役の北川烈氏に、事業概要と今後の展開を聞きました。
2025/10/14
-
-
-
-
トヨタ流「災害対応の要諦」いつ、どこに、どのくらいの量を届ける―原単位の考え方が災害時に求められる
被災地での初動支援や現場での調整、そして事業継続――。トヨタ自動車シニアフェローの朝倉正司氏は、1995年の阪神・淡路大震災から、2007年の新潟県中越沖地震、2011年のタイ洪水、2016年熊本地震、2024年能登半島地震など、国内外の数々の災害現場において、その復旧活動を牽引してきた。常に心掛けてきたのはどのようなことか、課題になったことは何か、来る大規模な災害にどう備えればいいのか、朝倉氏に聞いた。
2025/10/13
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方