2018/02/28
ニュープロダクツ

計測機器メーカーの明星電気は、気象庁の緊急地震速報に対応した受信ユニット・装置「QCAST(キューキャスト)シリーズ」に、気象庁が3月から新たに導入する演算方式であるPLUM法の信号受信に対応した最新機種を発売する。気象庁の配信の精度が高まることで、より正確に同報通知や周辺装置の自動停止などができる。
受信ユニット「S740-P」は、気象庁から配信される「緊急地震速報」を受けてアラーム音と音声案内で人々に注意を促すほか、初期微動(P波)の情報をもとに、主要動(S波)の強い揺れが到達するまでの猶予時間を自動算出・表示する。また 接点出力を用いて自動制御でメール転送や館内一斉放送といった同報、またエレベーター・ガス弁など各種装置・設備の停止などもできる。
さらに 受信装置「S704 -FCP1」は、Windowsベースの17インチ液晶付きの装置。ユニットと同様、推定した震度と地震到達までの猶予時間を算出すると共に、その地震のP波とS波の到達している範囲の時間に応じた変化を、画面地図上にに表示できる。200地点までの位置を事前設定して画面上に 推定震度・推定到達時間を表示させることができるため、支店や工場など多拠点展開する企業の一元管理システムとして利用できる。
気象庁は緊急地震速報に用いる演算方式に新たにPLUM法を3月22日から導入することが決まっており、 これにより従来のIPF法と新たなPLUM法の2方式を融合してより危険度の高い信号を配信するハイブリッド法が適用される予定。これによりIPF法の課題とされてきた、巨大地震時に震源から遠い地域の震度推定が過小評価されてしまうなどのといった課題が改善され、速報の精度向上が見込める。気象庁の新演算方式導入にあわせ、同機種も受信ユニットを刷新して発売する。従来機種はPLUM法による信号を受信できないが、従来の信号との混線を防ぐため、ファームウェアのアップデートが必要になる。
■製品詳細ページはこちら
http://www.meisei.co.jp/special/qcast/
防災・危機管理関連の新製品ニュースリリースは以下のメールアドレスにお送りください。risk-t@shinkenpress.co.jp
(了)
リスク対策.com:峰田 慎二
ニュープロダクツの他の記事
おすすめ記事
-
津波による壊滅的被害から10年
宮城県名取市で、津波により工場が壊滅的な被害に遭いながらも、被災1週間後から事業を再開させた廃油リサイクル業者のオイルプラントナトリを訪ねた。同社は、東日本大震災の直前2011年1月にBCPを策定した。津波被害は想定していなかったものの、工場にいた武田洋一社長と星野豊常務の適切な指示により全員が即座に避難し、一人も犠牲者を出さなかった。震災から約1週間後には自社の復旧作業に取り掛かり、あらかじめ決めていたBCPに基づき優先業務を復旧させた。現在のBCPへの取り組みを星野常務に聞いた。
2021/01/21
-
台湾をめぐる米中の紛争リスクが高まる
米国のシンクタンクCouncil on Foreign Relations(CFR)は、2021年に世界中で潜在的な紛争が起こる可能性を予測する最新の報告書を公表した。報告書は、台湾問題における米国と中国の深刻な危機を、世界の潜在的な紛争の最高レベルとして初めて特定した。
2021/01/20
-
これからの国土づくり 「構想力」と「創意工夫」で
政府の復興構想会議のメンバーとして東北の被災地を訪ね、地域の再生や強靭な国土づくりに多くの提言を行った東京大学名誉教授の御厨貴氏は当時、これからの日本の行方を「戦後が終わり、災後が始まる」と表現しました。あれから10年、社会はどう変わったのか。いつか再び起こる巨大地震をめぐり、政治・行政システムや技術環境、市民の生活や仕事はどう進歩したのか。これまでを振り返ってもらいながら、現在の課題、今後の展望を語ってもらいました。
2021/01/14