2018/03/13
防災・危機管理ニュース
東京都は9日、「特定緊急輸送道路沿道建築物の耐震化促進に向けた検討委員会」の第6回会合を開催。地震時に輸送上重要で、道路倒壊による閉塞を防がないといけない特定緊急輸送道路の沿道建築物の耐震化促進策について話し合った。1回の工事でなく、複数回に分けた工事で耐震性を上げる段階的改修の推進を行う方針が示された。
都内の沿道建築物は1万8453棟で、2017年12月末時点での耐震化率は83.8%。耐震性が不足している建築物は2852棟、未診断が141棟ある。元々の耐震性が低く、1回の工事で耐震性を満たすには費用の問題などで困難なこともある。一方で段階的改修に対して助成を行っている区市町村は5にとどまっている。都では少しでも耐震性を上げることが重要と考え、区市町村に助成制度創設を働きかけるほか、段階的改修の促進へのガイドライン(指針)策定も行う方針。
継続的な助言も注力。現在は建物所有者の依頼で建築士などアドバイザーが派遣される。しかし派遣終了後にそのまま何も進まないケースも多い。耐震化には金融や法律など様々な分野の専門家が必要なことから、アドバイザーがコーディネーターとなり、弁護士やファイナンシャルプランナーなどの派遣も行える仕組みづくりを進める。
また建物所有者に対する指導や指示、賃借人・テナントなど占有者の責務の位置づけのほか、改修・建て替えに伴うの占有者の移転費用負担といった支援も検討する。
(了)
リスク対策.com:斯波 祐介
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