2018/04/11
防災・危機管理ニュース

労働安全衛生法の改正により従業員50人以上の事務所に実施が義務化されている「ストレスチェック制度」について厚生労働省は3月30日、事業者がPC環境を使って診断を運用しやすくできる実施プログラムの改訂版を公表した。プログラムは公式サイトから無償でダウンロード可能。小さな不具合を修正しより安定して使える。
「ストレスチェック」とは、労働者が仕事によって受ける心理的ストレスの状態を調べる検査。労働安全衛生法の改正により、2015年12月から、労働者が50人以上いる事業者では毎年1回この検査を全労働者に実施し、実施状況を所轄の労働基準監督署に提出する義務がある。
厚労省は、事業者がより検診がしやすいよう、PC環境で利用できる無償の集計プログラムを公開している。プログラムでは、労働者が画面で57項目のストレスチェックを受けることができるほか、各労働者の回答状況を管理する機能、直接面談が必要な「高ストレス者」を抽出する機能、部署ごとにストレスの集団分析をおこなう機能、労働基準監督署へ報告する情報を表示する機能―などを持つ。
診断結果は労働者個人に通知され、一定以上の高いストレスを感じている労働者には医師による面談指導を実施する。また10人以上の部署ごとに労働者のストレス度を分析し、職場環境改善にも役立てることができる。
Windows10で稼働。今回の2018年3月版ではより小さな不具合を修正し、より安定して使えるようになった。
■実施プログラムのダウンロードサイトはこちら
https://stresscheck.mhlw.go.jp
■「ストレスチェック制度」の導入マニュアルはこちら
http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/anzeneisei12/pdf/160331-1.pdf
(了)
リスク対策.com:峰田 慎二
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
-
-
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/07/01
-
-
-
「ビジネスイネーブラー」へ進化するセキュリティ組織
昨年、累計出品数が40億を突破し、流通取引総額が1兆円を超えたフリマアプリ「メルカリ」。オンラインサービス上では日々膨大な数の取引が行われています。顧客の利便性や従業員の生産性を落とさず、安全と信頼を高めるセキュリティ戦略について、執行役員CISOの市原尚久氏に聞きました。
2025/06/29
-
-
-
柔軟性と合理性で守る職場ハイブリッド勤務時代の“リアル”な改善
比較サイトの先駆けである「価格.com」やユーザー評価を重視した飲食店検索サイトの「食べログ」を運営し、現在は20を超えるサービスを提供するカカクコム(東京都渋谷区、村上敦浩代表取締役社長)。同社は新型コロナウイルス流行による出社率の低下をきっかけに、発災時に機能する防災体制に向けて改善に取り組んだ。誰が出社しているかわからない状況に対応するため、柔軟な組織づくりやマルチタスク化によるリスク分散など効果を重視した防災対策を進めている。
2025/06/20
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方