内閣府が5月に発表した昨年度・2020年度の国内総生産(GDP)は、実質の伸び率がマイナス4.6%となり、比較可能な1995年度以降で最大の下落となりました。新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大の影響により、2020年度は多くの企業にとって環境が一変した一年だったと思います。

大阪府・大阪市が2020年9月に実施した首都圏を対象としたアンケート調査でも、事業継続計画(BCP)を策定している企業のうち、ほぼ全ての企業が危機事象として「首都直下地震」を想定している一方で、パンデミック(感染症の大規模な流行)を想定している企業は56.5%と、約半数の企業がパンデミックを危機事象として想定しておらず、実際に事業継続が危ぶまれる状況に陥り、事業継続計画(BCP)の見直しを余儀なくされた企業も多かったのではないでしょうか。

そして、実際に企業の危機管理部門のご担当者にお話をお聞きすると、事業継続計画(BCP)の策定内容と並んでよく話題になるのが、「自然災害などの有事の際に、策定した事業継続計画(BCP)がしっかりと機能するか」という実効性確保についてです。

連載第3回目となる今回は、実際に本社機能のバックアップ態勢、複線運用を大阪に構築されている日本マスタートラスト信託銀行様の事例をご紹介しながら、事業継続計画(BCP)の実効性確保に向けた平常時からのデュアルオペレーションの重要性などについて考えたいと思います。日本マスタートラスト信託銀行株式会社総合企画部の小林雅俊氏と大阪資産管理部の大西義裕氏にお話をお伺いしました。

<インタビュー>
小林雅俊 氏(総合企画部)
大西義裕 氏(大阪資産管理部)

日本マスタートラスト信託銀行について
~日本初の資産管理専門銀行~

481兆円を預かる信託銀行

――日本マスタートラスト信託銀行はどのような企業ですか。

小林氏:当社は2000年(平成12年)5月に設立されたわが国最初の資産管理専門信託銀行です。

 
小林雅俊氏
日本マスタートラスト信託銀行株式会社
総合企画部 

当社は主に株式や債券などの有価証券を扱い、お客さまからの運用指図に基づき、お客さまの資産をこれまでのべ世界130カ国(※1)に投資しています。お客さまからお預かり資産は481兆円(※1)に上ります。

オフィスは東京(港区浜松町および千代田区丸の内)と大阪(吹田市江坂町および大阪市中央区伏見町)にあり、従業員は東阪合計で1287人が所属しています。
このうち、大阪オフィスの従業員は54人(※1)です。

※1 2021年4月現在