2021/12/06
防災・危機管理ニュース
竹中工務店(大阪市)は、大規模・広域地震の発生を想定した合同震災訓練を、9月11日、11月26日の2日間にわたって実施した。同社の事業継続計画(BCP)に基づき行われたもので、新型コロナの影響により2年ぶりの実施となった。
9月1日の実動訓練では、それぞれ想定地震を設定し、初動対応を確認。本社、東京本店、名古屋支店、大阪本店による全社情報連携体制の訓練では、名古屋支店・大阪本店が被害を受けたと設定し、情報のエスカレーションを通じて、本社および東京本店と情報を共有しながら支援体制を確認した。
11月26日は、グループ会社である竹中土木、アサヒファシリティズも参加し、合同対策会議訓練を実施。同社本社、各本・支店および両グループ会社が、9月1日の訓練等について成果や課題を報告し、次回訓練のスパイラルアップを図るべく課題対策の情報共有を図った。訓練には、感染防止策を講じたうえで、本社、本・支店をはじめ国内事業所の従業員およびグループ会社など20社を含めた約1万2000人が参加した。
同社は今回の訓練を通じ、震災発生時にいち早く復旧へ動き出す必要のある総合建設会社として、従業員の行動基準の周知・徹底、事業所やグループ会社間の連携、初期対応体制の構築を再確認できたとした。
今後も訓練を反復し、成果・反省を積み重ねることで、事業継続マネジメントをより強固なものとし、顧客への提案に役立てるとともに、震災発生時には企業としての社会的責任を果たすとしている。
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
競争と協業が同居するサプライチェーンリスクの適切な分配が全体の成長につながる
予期せぬ事態に備えた、サプライチェーン全体のリスクマネジメントが不可欠となっている。深刻な被害を与えるのは、地震や水害のような自然災害に限ったことではない。パンデミックやサイバー攻撃、そして国際政治の緊張もまた、物流の停滞や原材料不足を引き起こし、サプライチェーンに大きく影響する。名古屋市立大学教授の下野由貴氏によれば、協業によるサプライチェーン全体でのリスク分散が、各企業の成長につながるという。サプライチェーンにおけるリスクマネジメントはどうあるべきかを下野氏に聞いた。
2025/12/04
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/12/02
-
-
-
-
-
-
目指すゴールは防災デフォルトの社会
人口減少や少子高齢化で自治体の防災力が減衰、これを補うノウハウや技術に注目が集まっています。が、ソリューションこそ豊富になるも、実装は遅々として進みません。この課題に向き合うべく、NTT 東日本は今年4月、新たに「防災研究所」を設置しました。目指すゴールは防災を標準化した社会です。
2025/11/21
-
サプライチェーン強化による代替戦略への挑戦
包装機材や関連システム機器、プラントなどの製造・販売を手掛けるPACRAFT 株式会社(本社:東京、主要工場:山口県岩国市)は、代替生産などの手法により、災害などの有事の際にも主要事業を継続できる体制を構築している。同社が開発・製造するほとんどの製品はオーダーメイド。同一製品を大量生産する工場とは違い、職人が部品を一から組み立てるという同社事業の特徴を生かし、工場が被災した際には、協力会社に生産を一部移すほか、必要な従業員を代替生産拠点に移して、製造を続けられる体制を構築している。
2025/11/20
-
企業存続のための経済安全保障
世界情勢の変動や地政学リスクの上昇を受け、企業の経済安全保障への関心が急速に高まっている。グローバルな環境での競争優位性を確保するため、重要技術やサプライチェーンの管理が企業存続の鍵となる。各社でリスクマネジメント強化や体制整備が進むが、取り組みは緒に就いたばかり。日本企業はどのように経済安全保障にアプローチすればいいのか。日本企業で初めて、三菱電機に設置された専門部署である経済安全保障統括室の室長を経験し、現在は、電通総研経済安全保障研究センターで副センター長を務める伊藤隆氏に聞いた。
2025/11/17






※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方