2018/05/29
防災・危機管理ニュース

東京都は25日、今年度のデング熱やジカウイルス感染症などの蚊媒介感染症対策について発表した。6月の「蚊の発生防止強化月間」に水たまりの解消などをPR。また、都内25施設で蚊のサーベイランス(調査監視)を秋まで行う。
サーベイランスは2014年にデング熱感染者が発生した渋谷区の代々木公園のほか、千代田区の日比谷公園など9施設を重点サーベイランスに、港区のお台場海浜公園など16施設を広域サーベイランスに指定。重点施設は人やイベントが多い場所で、広域施設はウエストナイルウイルスなどが心配される鳥の飛来が多い場所。重点施設では4~11月まで、広域施設では6~10月まで調査監視を実施する。
また発生時の感染拡大防止へ、蚊媒介感染症の疑いのある患者の検査体制を確保するほか、ウイルスを保有する蚊がいる可能性のある地点をホームページで公開。医療機関向けには海外渡航者や外国人の感染症疑いのある患者を診察する際のポイントを学ぶ研修会も開催する。
強化月間である6月はボウフラの発生を防ぐため、都営バスのうち4台をラッピングバスとして運行する。PR動画も作成。駅ポスターのほか電車内での動画放映や窓上ポスターといった交通広告も提供する。リーフレットや施設向けの小冊子も配布する。小池百合子知事は25日の記者会見で「植木鉢の受け皿や、空き缶・空きびんなどのたまり水をなくすよう、家庭でも取り組んでほしい」と呼びかけた。
■ニュースリリースはこちら
http://www.metro.tokyo.jp/tosei/hodohappyo/press/2018/05/25/18.html
(了)
リスク対策.com:斯波 祐介
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