従業員やその親族が地震や台風などの災害で被災した場合や新型コロナウイルスに感染した場合に見舞金を支給する企業は少なくありません。しかし、見舞金の支給については、福利厚生費と給与のいずれに該当するのか、どれくらいの金額を支給するのが妥当であるか、また、税務上の取り扱いはどうなるのかなどについて相談を受けることがあります。そこで今回は、従業員への見舞金の支給について解説します。

1 見舞金の種類と相場

独立行政法人労働政策研究・研修機構が2017年に実施した「企業における福利厚生施策の実態に関する調査」によると、従業員やその家族に祝い事や不幸があったときに見舞金を支給する「慶弔見舞金制度」を導入している企業は86.5%で、46.6%の企業が非正規雇用従業者に対しても慶弔見舞金制度を適用しています。

慶弔見舞金の種類には、結婚祝い金、出産祝い金、死亡弔慰金、傷病見舞金、被災見舞金などがあります。支給額や支給条件は、企業ごとで異なります。例えば、結婚祝い金については、初婚か再婚かで支給額に差を設けていたり、死亡弔慰金について支給対象者となる親族ごとに支給額が異なっていたりします。また、被災見舞金については、被災による自宅の損壊状態によって異なる金額を設定していることが少なくありません。

慶弔見舞金の支給額は企業規模等や業種等によりばらつきがありますが、大まかな相場としては、次のようになっています。