被災見舞金は福利厚生か給与か
慶弔見舞金制度の解説

毎熊 典子
慶應義塾大学法学部法律学科卒、特定社会保険労務士。日本リスクマネジャー&コンサルタント協会評議員・認定講師・上級リスクコンサルタント、日本プライバシー認証機構認定プライバシーコンサルタント、東京商工会議所認定健康経営エキスパートアドバイザー、日本テレワーク協会会員。主な著書:「これからはじめる在宅勤務制度」中央経済社
2022/04/11
ニューノーマル時代の労務管理のポイント
毎熊 典子
慶應義塾大学法学部法律学科卒、特定社会保険労務士。日本リスクマネジャー&コンサルタント協会評議員・認定講師・上級リスクコンサルタント、日本プライバシー認証機構認定プライバシーコンサルタント、東京商工会議所認定健康経営エキスパートアドバイザー、日本テレワーク協会会員。主な著書:「これからはじめる在宅勤務制度」中央経済社
従業員やその親族が地震や台風などの災害で被災した場合や新型コロナウイルスに感染した場合に見舞金を支給する企業は少なくありません。しかし、見舞金の支給については、福利厚生費と給与のいずれに該当するのか、どれくらいの金額を支給するのが妥当であるか、また、税務上の取り扱いはどうなるのかなどについて相談を受けることがあります。そこで今回は、従業員への見舞金の支給について解説します。
独立行政法人労働政策研究・研修機構が2017年に実施した「企業における福利厚生施策の実態に関する調査」によると、従業員やその家族に祝い事や不幸があったときに見舞金を支給する「慶弔見舞金制度」を導入している企業は86.5%で、46.6%の企業が非正規雇用従業者に対しても慶弔見舞金制度を適用しています。
慶弔見舞金の種類には、結婚祝い金、出産祝い金、死亡弔慰金、傷病見舞金、被災見舞金などがあります。支給額や支給条件は、企業ごとで異なります。例えば、結婚祝い金については、初婚か再婚かで支給額に差を設けていたり、死亡弔慰金について支給対象者となる親族ごとに支給額が異なっていたりします。また、被災見舞金については、被災による自宅の損壊状態によって異なる金額を設定していることが少なくありません。
慶弔見舞金の支給額は企業規模等や業種等によりばらつきがありますが、大まかな相場としては、次のようになっています。
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