2022/04/12
防災・危機管理ニュース
書棚がテレワーク中の人間を直撃 食器の破片が床に散乱
大量の食器が割れて床に破片が散乱、隣の部屋では大量の本とともに倒れた書棚が人間を直撃――。昨年12月から今年1月にかけて、首都直下地震の際に室内空間で発生する被害を想定した実大震動台実験が行われた。大規模地震時、負傷者を含めた人的被害は家具や什器、照明など非構造部材に起因するものが半数以上。企業の対策は十分か。 記事中写真・図提供:国立研究開発法人 防災科学技術研究所
マグニチュード(M)7クラスの首都直下地震、10 階建て最上階の揺れはどうなる――。
住居空間のリビング・ダイニングでは、食器棚の扉が外れて中の食器が飛び出し床に破片が散乱、書斎では無対策の本棚が倒れてテレワーク中の人間を直撃する。オフィス空間では、床に強く固定していないキャビネットが転倒する。防災科学研究所を主体とする研究グループが今年1月に行った実験の結果だ。
実験は文部科学省の補助事業の「首都圏を中心としたレジリエンス総合力向上プロジェクト」の一環で、昨年12月から今年1月にかけて実施。柱スパン8×5メートル、基準高さ3.85メートルの鉄骨の構造ユニットに家具・家電や什器、照明、設備などを組み込み、防災科研・兵庫耐震工学研究センター(兵庫県三木市)の実大三次元震動破壊実験施設(通称:E-ディフェンス)で揺らした。
人的被害の半数以上が内部環境に起因
1月21日に実施した公開実験の被害様相は、上記にあげた写真のとおり。3体の構造ユニットを水平方向・L字型に連結し、内部に食器棚や書棚、キャビネット、サーバーラックなどを設えて「住居空間」「オフィス空間」「サーバールーム空間」を再現した。室内の構成要素がもたらすリスクを検証し、被害軽減・早期復旧に資する有効な対策につなげることが目的だ。
実際、熊本地震の人的被害をみると、室内の非構造部材に起因するものが半数以上。「死亡原因は構造材の下敷きが圧倒的に多いが、負傷者を含めると建物の内部環境に起因する被害が多くなる。これを減らすには室内空間の対策が必要で、今回の実験はそこに着目した」と、防災科研・主任研究員の佐藤栄児氏は話す。
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