2022/05/09
いま目の前にある富士山噴火という危機

リスク対策.comは、もし富士山が噴火した場合、企業がどのような行動をとるのか、現時点でのどのような影響を考え、どの程度備えをしているのかの傾向を探るため、 シミュレーション方式によるアンケート調査を実施した。
噴火警戒レベルが高まった時点、噴火発生時、 首都圏への降灰が本格化した時点など、 噴火発生前後に考えられる状況をシナリオとして提示。それぞれどのような行動をとるかを、あらかじめ提示した選択肢の中から選んでもった。また、噴火から2週間後、1カ月後、 2カ月後に、組織としてどのような行動をとるかを予測してもらった。
分析結果報告の第1弾として、シミュレーションで示したフェーズごとの回答結果について解説する。
回答組織の本社所在地は、東京都内が58.4%と突出して多く、神奈川県6.9%、大阪府6.0%が続いた。山梨県は1.9%、静岡県は2.5%だった。業種は製造業が29.7%で最も多かった。
また、回答企業の8割が、2021年3月に富士山火山防災対策協議会が改定したハザードマップにおいて溶岩流・噴石・火砕流などの影響がおよぶ可能性の高い地域、もしくは2004年に富士山ハザードマップ検討委員会が示した降灰可能性マップ(宝永噴火時の降灰分布図)において降灰が予想される地域内に本社や支社、工場などの自社施設を有しているとした。
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